【セルジオ越後の天国と地獄】Jリーグは少しでも早くリーグ戦の再調整に努めるべき

2016年04月25日 サッカーダイジェスト編集部

延期が増えれば日程も厳しくなる。迅速な決断が必要だ。

地震の影響で活動がストップした熊本。彼らが早く〝日常〞を取り戻せる環境作りが重要だ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 4月14日に発生した熊本地震が甚大な被害をもたらしている。その後のニュースでは熊本や大分で800回を超える地震が起きていると伝えられ、被災者の方たちは大変な思いをされている。地域によっては避難生活を余儀なくされ、家屋の倒壊や土砂災害の危険性もある。とにかく、1日も早い復興を願っている。
 
 それにしても、日本はこうした災害が少なくない国なのに、相変わらず政府の対応が遅いと感じるよ。阪神淡路大震災や東日本大震災など、これまでにも大きな地震があったけど、過去の教訓はちゃんと活かされているのだろうか。
 
 いろんな想定をして訓練はしているとは思う。ただし、マニュアルの中でしか動けていないというか、物資の供給にせよ、避難場所の確保など、スムーズに進められていない印象だよ。
 
 マスコミの報道にも疑問を感じるね。彼らが本当に役に立つ情報を伝えているとは、どうしても思えない。専門家を招いて、地震のメカニズムを説明するけど、それって今の状況を改善するのになんの役に立っているのだろうか。
 
 逆に不安を煽っているようにも見えるし、そんなことより、どこどこでは水が足りないとか、食糧が足りていないという情報のほうが大事だと思う。視聴率優先の番組作りを残念に思うよ。
 
 サッカー界に目を移せば、被災地のロアッソは、一時的に活動をストップせざるを得ない状況になってしまった。隣県・大分のトリニータも今後どうなるか分からない。
 
 実際、地震のあった週末のJリーグでは、サンガ対ロアッソやアビスパ対グランパス、サガン対ヴィッセルなど、地震の影響により、J1からJ3合わせて6試合が開催を断念。さらにロアッソは5月上旬までの試合がすべて中止となった。
 
 募金活動など復興支援は重要だけど、Jリーグとしては少しでも早くリーグ戦の再調整に努めるべきだ。1試合ぐらいならまだいいけど、延期が増えれば増えるほど、カレンダーは厳しくなっていくからね。迅速な決断が求められているよ。
 

次ページ原氏のフットサル参加は、ちょっと違うんじゃないかな。

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