【広島】偉大な先輩に追いつきたい――。青山の代役に抜擢された宮原の決意

2016年04月25日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「このポジションは本当に難しい。今日は反省点ばかり」

体調不良で欠場した青山の代役に抜擢された宮原(37番)。森﨑和のサポートもあって守備はソツなくこなした半面、攻撃の組み立てに苦労し、「今日は全然ダメだった」と悔しさを滲ませた。 写真:徳原隆元

 横浜戦のメンバー表の中に、青山敏弘の名前がない――。広島は不動のキャプテンを体調不良で欠き、代わりに宮原和也がスタメンに抜擢された。
 
 宮原は今季、横浜戦の前までに出場試合のシーズン記録を更新し、ボランチでの起用も初めてではない。しかし、ボール奪取を得意とする若武者にとって、森﨑和幸の代役を務めた際は「自分の持ち味を発揮する=求められるタスクの遂行」だったが、青山はゲームメーカー色が濃く、森﨑和よりもさらに攻撃的な役割が加わる。自ら攻撃を課題に挙げるだけに、横浜戦はある意味で"新たなチャレンジ"だった。
 
 もっとも、昨季リーグMVPの穴を埋めるのは簡単ではない。宮原は両軍の選手が密集する中盤でイージーミスを連発し、効果的なパスを供給できずに攻撃のテンポが思うように上がらなかった。ただ、青山を欠いた時点で組み立てに苦労するのも「想定内」(森保監督)。チームのコンセプトである「良い守備から良い攻撃へ」を実践すべく、まずは守備をおろそかにしないよう、森﨑和からアドバイスがあったという。
 
「カズさんは『守備が一番大事だ』と声をかけてくれました。俺とカズさん、どちらも守備的なので、守備はしっかりしていこうと。ピンチもありましたけど、守備面は良かったと思います」
 
 実際、宮原は63分にピッチを退くまで、中盤を幅広くカバーしながらボール奪取を狙い、32分に中町公祐にヘディングシュート、50分に齋藤学にGKと1対1でシュートを打たれた以外は、危ない場面はほとんど作らせていない。それでも、試合後は思うようにプレーできなかった悔しさから、反省の言葉ばかりが口を突いた。
 
「この(青山の)ポジションでプレーするのはキャンプ以来だったので、イージーなミスも多かったし、今日は反省点ばかり。(相手の)ボランチの前で受けるポジションは本当に難しいですね。後ろからマークが来ることも意識しながら、間で受けたり、相手を動かさないといけない。効果的なパスはなかなか出せなかったですけど、シンプルにできるところはシンプルにやるのが大事だと思います」
 

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