【移籍専門記者】テージョに惚れ込んだフィオレンティーナ。バルサからの買い取りに向けて動き出す

2016年04月19日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

早くもセリエAのDFたちの大きな脅威となっている。

1月にフィオレンティーナに加入したテージョは、持ち前のスピードを利した仕掛けでチームの攻撃に変化を加える。クラブは買い取りに向けて動き出した。写真:Alberto LINGRIA

 一目惚れかどうかは、大したことではない。大事なのは、確実に愛が生まれ育まれているということだ。フィオレンティーナとクリスティアン・テージョの間に。
 
 1月の加入以降、11試合(801分)で1得点・4アシストと決してスーパーではない。インパクトで言えば、昨シーズンの冬に加入したモハメド・サラ―(現ローマ)のほうが断然上だ。しかし、愛を数字だけで測るべきではない。
 
 バルセロナが保有権を持つこのウイングは、切れ味鋭い突破をはじめとするクオリティー溢れるプレーで、ヴィオラのサッカーに新たな活力をもたらしているのだ。予測不能な動きでタッチライン際をひっかき回し、早くもセリエAのDFたちの大きな脅威となっている。
 
 このスペイン人に惚れ込んだフィオレンティーナは、来シーズンもこのままフィレンツェに引き留めるべく動き始めている。昨夏にレンタル加入しながら馴染めずポルトから追い出されるようにやってきたテージョを勇気づけ、励ましてピッチに送り出したパウロ・ソウザ監督は、もうこのウイングにゾッコンなのだ。
 
 世界最強のMSNトリオが君臨するバルサの前線に居場所はなく、買い取りは決して不可能なミッションではない。フィオレンティーナが用意した予算は800万ユーロ(約10億円)。あとはバルサの出方次第にかかっている。
 
 4月下旬にはテージョの代理人がバルサと会談する予定で、話はそこから動き出すはずだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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