J複数クラブが争奪戦へ! 桐光学園DFのタビナス・ジェファーソンが放つ輝き

2016年04月18日 安藤隆人

インターハイの敗戦を機に「なんでもできる選手になりたい」。

ガーナ人の父とフィリピン人の母を持つタビナス・ジェファーソン。昨年のインターハイが選手としての転機となった。写真:安藤隆人

「左サイドバックにこだわっています」
 プリンスリーグ関東・2節の浦和ユース対桐光学園の一戦で、プロ注目の桐光学園DF・タビナス・ジェファーソンは、前半はCB、後半は左サイドバックをこなした後にこう口にした。
 
 もともとCBだったが、左利きであり、スプリントができるという特性を見た鈴木勝大監督が1年時から左サイドバックとして起用。最初は「CBがやりたい」と口にしていたが、今や彼は「サイドバックは僕の天職だと思っています」とまで言い切るようになった。
 
 浦和ユース戦でも「前半はCBでやっていてやり辛さを感じた。後半にサイドバックになって自分のやりたいプレーができるようになった」と語るように、前半は浦和ユースの3トップを軸とした素早い攻撃の対応に後手に回り、CKとPKからふたつの失点を喫した。
 
 だが、後半に入ると、左サイドで積極的な攻め上がりと、1対1の強さを発揮して、攻守両面で躍動。54分、左サイドを突破し、中央でフリーになったMF西川公基に折り返し、反撃の狼煙を上げるゴールをアシスト。
 
 これで勢いがついた桐光学園は、59分に西川の折り返しを、中央でMF田中雄大がドンピシャヘッドで合わせて同点。試合を振り出しに戻した。試合は2−2で終了。前半の沈黙から一転、左サイドバックとして際立った存在感を放ち、このポジションが自らの『天職』であることを示した。
 
 彼が考えを変えたきっかけがある。それは昨年度のインターハイだ。初戦の久御山戦で、左サイドバックとしてスタメン出場した。しかし、技巧派軍団のめまぐるしいポジションチェンジとテクニックを前に、「ボールにほとんど触れず、相手の動きに対応できなかった」と、持ち味を発揮できずに試合から消えてしまい、チームは初戦敗退を喫してしまった。
 
「正直、『こんなに自分はなにもできないのか』とショックを受けるほどでした。でも、逆に『なんでもできる選手になりたい』と強く思うようになったんです。そのためにはサイドバックもきっちりこなせる選手にならないといけないと思うようになって、そこからですね、『自分はCBだ』というこだわりを捨てて、日々の練習や試合で高い意識を持ってやるようになりました」
 

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