現地ベテラン記者が香川真司を密着レポート「先発したダービーで自信に満ちたゴールを決めるも、リバプール戦はおそらく…」

2016年04月13日 マルクス・バーク

守備の安定感は、予想以上だった。

シャルケ戦で華麗なループシュートを決めるなど自信に満ちたプレーを見せた香川だが、リバプール戦はおそらくベンチスタートに。(C)Getty Images

 リバプールの指揮官ユルゲン・クロップはうまく言ったものだ。ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝の第1レグでドルトムントと引き分けた(1-1)後、「アンフィールド(リバプールの本拠地)は燃えるだろう。この試合のチケットを手にできた人、一人ひとりにおめでとうと言いたい」とコメントした。
 
 偉大な伝統とファンを有する2つのビッグクラブが、アンフィールドで激突する。レポーターとして現地観戦する私にとっても、特別な経験になるだろう。
 
 長い夜、つまり延長戦やPK戦までもつれても不思議はない。私は今でもドルトムントのほうがやや有利だと思っているが、第1レグで強い印象を植え付けたのはリバプールだった。とくに守備の安定感は、予想以上だった。
 
 それでもドルトムントを推すのは、第1レグでパフォーマンスが良くなかった選手が本領を発揮すると思うからだ。例えば4月10日のシャルケ戦で温存されたマルコ・ロイスや、15分だけ出場したピエール=エメリク・オーバメヤンは、万全の状態で試合に臨めるだろう。
 
 香川真司は、おそらくベンチスタートだろう。多くの主力を休ませたそのシャルケとのレヴィア・ダービーでスタメン起用された事実が、それを示唆する。
 
 この試合で決めた香川のループシュートは、本当に素晴らしかった。あのゴールは、絶対的な自信を持つ選手にしか決められないものだ。正直に言うと、香川があれほど自信に満ちたプレーを見せるとは、思っていなかった。それは、前半の出来がチーム全体のパフォーマンスと同様にあまり良くなかったからでもある。
 
 トーマス・トゥヘル監督にとっても、リバプールとの第2レグが大きなチャレンジになるのは明らかだ。もちろん、5試合を残して来シーズンのチャンピオンズ・リーグの出場権を獲得するとは誰も予想していなかったし、ドルトムントでの1年目が大成功だと評価されるのは間違いない。
 
 それでも、前任者(クロップ)にベスト4進出を阻まれれば、トゥヘル本人にとってもショックは小さくないだろう。だからこそ、この若き指揮官がいかなる戦術で試合に臨むかが非常に楽しみだ。
 

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