【ビッグクラブの回顧録】“あの時”のユナイテッドを振り返る vol.23~2012-13シーズン ~

2016年04月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

独走でのプレミア制覇の原動力となったファン・ペルシの偉才。

タイトルを求めて、宿敵のアーセナルから移籍してきたファン・ペルシ。リーグトップの26ゴールを決める活躍で、2400万ポンド(約34億円)の移籍金の価値を十二分に証明した。 (C) Getty Images

 前シーズン、最も屈したくない相手である長年の"隣人"シティに最終節のラスト2分で優勝をさらわれたユナイテッド。その悔しさを晴らすべく開幕前から大型補強を敢行し、チーム強化を図った。
 
 トップターゲットに据えたのはアーセナルのロビン・ファン・ペルシ。オランダ代表のストライカーは競合相手が多く、獲得レースは熾烈を極めた。
 
 しかし、ライバルに負けられないとばかりにマネーゲームを展開したユナイテッドは、2400万ポンド(約36億円)を費やして、オランダの至宝を手に入れたのだ。
 
 さらに日本代表のMFの香川真司を1200万ポンド(約20億4000万円)でドルトムントから獲得。ユナイテッド史上初の日本人プレーヤーが誕生した瞬間でもあった。
 
 適材適所の補強で人員を整理したユナイテッドは、開幕戦こそエバートンに0-1で敗れたものの、2節のフルアム戦では早くもファン・ペルシ、香川のアベック弾が飛び出し、そこから4連勝を飾った。
 
 好スタートを支えたのは、自身初のリーグ優勝を果たすべく移籍してきたファン・ペルシ。研ぎ澄まされた得点力という偉才を存分に見せつけ、ユナイテッドの新たなエースとして君臨した。
 
 また、トップ下でファン・ペルシをフォローしたウェイン・ルーニーの働きも見逃せない。得点数は前年から半減したものの、中盤センターやウイングなどをこなした彼の献身性は特筆に値するものだった。
 
 アレックス・ファーガソンの巧みなマネジメントも冴え渡り、13節で首位に立ったユナイテッドはそこから18戦無敗で独走態勢を築き、最後は2位のシティに勝点差11をつけて、節目となる通算20度目のリーグ制覇を成し遂げたのである。
 

次ページファーガソン、27年間の長期政権に幕を引く。

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