「ステータスが変わるとは一言も言われなかった」出番激減で不満のモドリッチ。その去就はマドリーの“最も複雑な問題”に【現地発コラム】

2024年03月28日 エル・パイス紙

健在ぶりを示していることがマネジメントを複雑にしている

去就が注目されているモドリッチ。(C)Getty Images

 かつてのチームメイトででもある"兄弟"セルヒオ・ラモスについて質問されたルカ・モドリッチは自分に重ね合わせるようにこう答えた。

「セルヒオは偉大な選手だ。誰もが年齢を指摘したがるにもかかわらず、トップレベルを維持していることを示している」

 その言葉には、契約延長を判断する際には身分証明書を見るべきではないという思いが込められていた。かねてから強調していたこの願望は、今シーズン限りで契約が切れることで、自分の身に降りかかる事態になっている

 2021年以降、モドリッチはシーズンごとに契約を更新してきたが、今回は去就が完全に宙に浮いている。「今シーズン限りで契約が満了する選手は何人かいる。しかしこの種のテーマは、シーズンが終わりに近づく頃に、話し合われるべきことだ。モドリッチ、(トニ・)クロース、ナチョについても今日明日で解決できるものではない」とマドリーの関係者は答える。
 
 一般論としては確かにそうだが、しかしその中で今年9月に39歳を迎え、今シーズン、出場機会が激減し、控えの立場を受け入れることに拒否反応を示しているモドリッチはやはり特殊なケースだ。契約延長に疑問が投げかけられている所以でもある。

 現場を預かるカルロ・アンチェロッティ監督も難しい立場にある。セビージャ戦(第26節)後、「すべてはルカの手中にある。テクニカルな問題で、私が立ち入るべきものではない。今後数か月の間に、すべてを解決する時間があるはずだ」と深い言及を避けたように、モドリッチに関するデリケートな質問に対処するため、毎週、マイクの前で最高のレパートリーを引き出すことを余儀なくされている。

 アンチェロッティだけではない。モドリッチの去就は、クラブ全体が、サンティアゴ・ベルナベウの人気者でチームの顔が、できうる限りトップレベルのままキャリアを閉じるという複雑なシナリオに直面している。

 その断絶のプロセスは数年前から始まっていたが、キャリアの終焉が近づくにつれてノイズが増えている。セビージャ戦で決勝点を奪ったように、出番が減少する中でもモドリッチが健在ぶりを示していることが余計にそのマネジメントを複雑にしている。
【動画】絶妙トラップから右足一閃!モドリッチがセビージャ戦で決めた衝撃弾

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