【磐田】名波監督も絶賛。今季リーグ戦初出場の松井大輔が示した“新たな一手”への可能性

2016年04月03日 小田智史(サッカーダイジェスト)

“自然体”で迎えた今季リーグ戦初出場。指揮官も「松井を入れた効果が出た」と称える。

流動的なポジション取りでボールを引き出して攻撃を活性化。今季リーグ戦初出場ながら、さすがのプレーを見せた。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 1-1で迎えた大宮戦の73分、松井大輔に今季リーグ戦初の出場機会が巡って来た。フランス、ロシア、ブルガリア、ポーランドと10年間ヨーロッパを渡り歩いた元日本代表MFが、J1のピッチに立つのは実に03年11月29日(第2ステージ15節・G大阪戦)以来のこと。それでも、「(久々のJ1と言っても)昨年も大宮とは戦っていますから」と"自然体"で自分の与えられた役割をこなしていく。

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 出場直後は「入り方があまり良くなかった」と振り返るように、ボールを触る回数が少なかったが、松井を活かそうとトップ下の小林祐希がサイドにポジションを移すと状況は一変。松井はペナルティアーク付近のスペースに入り込み、パスを引き出してゴールに襲い掛かる。
 
 86分、巧みな胸トラップから敵陣を深く抉って中央に折り返し、その3分後にはマイボールになった瞬間にペナルティエリア内に走り込み、上田康太からのロングボールを捌いてジェイのチャンスを創出。いずれもゴールには至らなかったものの、サイドからのクロスに偏りがちだった攻撃に、中央の選択肢と連動した崩しを加えてみせた。「松井を入れた効果は出た」と名波監督がバイタルエリアでの攻撃の活性化を高く評価すれば、小林も松井の"匠の技"についてこう説明する。
 
「途中から入ってきた選手があれだけフレッシュに前で動いてくれると、もともと出ていた選手はすごく楽だし、大輔さんは経験があるので相手の嫌なところに入っていくのが本当に上手い。俺や(山本)康裕くんがボールを持った時の動き出しには、巧さと速さがありましたね」
 

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