【J1採点&寸評】浦和×甲府│大空翼も嫉妬する!? 芸術的なドライブシュートを叩き込んだ森脇良太をMOMに選出

2016年04月01日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

浦和――興梠が鮮やかな先制点を突き刺す。指揮官は最後の失点に「気に食わない」と警鐘を鳴らす。

【警告】浦和=なし 甲府=山本(15分、31分)、吉野(76分)
【退場】甲府=山本(31分)
【MAN OF THE MATCH】森脇良太(浦和)

【チーム採点・寸評】
浦和 6.5
「引いた相手」対策に効果的なコンビネーションとミドルで甲府ゴールを打開。結果的に2点目を獲りに行ったことで勝利に結び付けたと言えた。難しい展開だったとはいえ、それだけに課題のストッパー陣が最後の失点に絡んだ点は反省し、対策を講じたい。

甲府 5
なんとしてもJ1にしがみつくという気概は伝わってくる。ただし、ひたすら守って、結局敗れた。最後に意地の1点は奪ったが、「収穫」といえるものは少なかった。

【J1 PHOTOハイライト】浦和 2-1 甲府|興梠がJ1通算90得点! 浦和が暫定首位に浮上!!

【浦和|採点・寸評】
GK
1 西川周作 6
決してミスではないが、無失点に抑えなければいけなかった。85分の敵陣でのFKの場面、西川が前に行き(蹴りたそうなそぶりを見せ)、会場が少しどよめいた。

DF
5 槙野智章 6
攻撃時に前に突っ込み過ぎていた印象。もう少し、ギャップでボールを受けて、相手を引き出したい。難しい状況であり、勝ったので及第点にはしたが、最後にクロスを上げた保坂へのチェックが甘くなったのは反省点だ。

6 遠藤 航 6.5
チャンスがあれば自らもシュートを狙おうという意欲を示し、見事な縦パスから先制点を演出した。

46 森脇良太 7
ミドルレンジで胸トラップし、浮き球に回転をかけて豪快に叩き込む。大空翼でさえ嫉妬するような芸術的なドライブシュートだった。ただ、90+2分の稲垣のマークを外してしまった失点は、今後の教訓にしたい。

MF
7 梅崎 司 5.5 (71 分 OUT)
バランスをとっていたとも言えるが、こうした引いた相手にはウイングバックがアクションを起こさなければ、試合は動かない。

9 武藤雄樹 5.5 (62分OUT)
決してミスはなかったものの、チームのファーストシュートなど枠には飛ばしたかった。試合のなかでも鍵を握る局面で仕事をしたかった。

10 柏木陽介 6
セットプレーからチャンスを作り、自ら惜しい直接FKも放った。ミドルも狙ったが、5~6枚の壁に苦しみ放てなかった。

20 李 忠成 6
興梠への正確なパスでアシスト。シュートも決めたかったが、前線へのプレスなど他にも貢献度は高かった。

22 阿部勇樹 6
セカンドボールを拾いつつ、最終ラインをフォロー。主将として、リンクマンとして、最後の失点シーン――カウンター対策は課題。

3 宇賀神友弥 5.5 (71 分 OUT)
相手が後手に回っていた立ち上がりの時間帯、ほとんど積極的な攻撃を見せられなかった。後半に入り何度か攻め上がったが、脅威を与えられず。浦和の攻撃があと一歩噛み合わない展開が続いた。

FW
30 興梠慎三 6.5
スルーパスから反転して李からリターンを受け、鋭いシュートを突き刺す。鮮やかな崩しだった。

交代出場
FW
21 ズラタン 6(62分IN)
投入直後にヘディングシュートを放ち、甲府の選手たちを動揺させた。その存在感が脅威を与え、試合を動かした。

MF
24 関根貴大  (71分IN)
高木とのダブル投入が、「2点目を取に行く」というメッセージになった。より攻撃的に行き、森脇にパスを託して2点目につなげた。
 
13高木俊幸 6 (71分IN)
今季初出場。前線に躍動感を与えた。完璧に崩したあとのシュートは、GK河田にブロックされた。

監督
ペトロヴィッチ 6
最後の失点は悔やまれるが、3年間ホームで勝てずにいた甲府から、ようやく勝点3をもぎ取った点は評価したい。「こうした守備に特化したチームには厳しい展開になることが予想された。選手たちは我慢しながら、攻撃を繰り返し、素晴らしい2点を決めた」と評価。一方、「最後の失点だけは気に食わない。3点目、4点目を狙いに行くべきで、少し遊びすぎていた」と引き締めた。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
 

次ページ甲府――山本の早々の退場が響く。“捨て身”の6-3-0布陣にしたあと、痛恨の失点を喫する。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事