北朝鮮戦の前半と後半で別人のようだった日本。アジアカップのイラク戦やイラン戦のデジャブのような時間帯も【コラム】

2024年03月21日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

悪循環にハマった試合とも

浅野はゴールを決められなかった。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 2024年3月21日、日本代表が北中米ワールドカップのアジア2次予選で北朝鮮代表と対戦。激しい攻防の末、1-0と勝利した。

 この日、日本は遠藤航、久保建英らがスタメンから外れ、GK鈴木彩艶、DF菅原由勢、板倉滉、町田浩樹、伊藤洋輝、MF守田英正、南野拓実、田中碧、FW堂安律、上田綺世、前田大然という先発メンバーで臨んだ。

 いきなり田中のゴールで先制した日本は、その後もチャンスを作る。3分に前田が惜しいシュートを放てば、13分には堂安が左足ボレーでGKを強襲。4-4-2システムでそこまでラインを下げなかった北朝鮮がベタ引きをしなかった影響もあり、相手の裏スペースを使う攻撃が上手く展開された印象だった。

 前半の日本は攻め込まれるシーンが少なく、ほぼハーフコートで試合をしている感もあった。惜しむらくは43分の決定機逸。あそこで堂安が決めていれば後半の日本はもっと楽に戦えたかもしれない。
 
 後半、日本は北朝鮮のハイプレスとロングボールに苦しめられる。前半とは打って変わり、守備面でバタバタするシーンが明らかに増え、嫌な雰囲気に包まれる時間帯もあった。アジアカップのイラク戦やイラン戦のデジャブのような展開になりつつあったのだ。

 橋岡大樹、谷口彰悟を投入して5バックにした70分過ぎから盛り返したが、日本の弱点を改めて露呈した感は否めなかった。

 前半と後半で別人のようだった日本。決めるべきところで決めないと苦しむという悪循環にハマった試合でもあった。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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