「将来的には聡が腕章を託されるべき」キム・ミンテが語る若手組への期待「自分の技術を盗んでほしい」【インタビュー後編】

2024年03月15日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「(田中に)副将をやってほしかった」

副将を務める3名(舘、田中、鈴木雄)の印象を語ったキム・ミンテ。写真:滝川敏之

 2023年7月に鹿島アントラーズから湘南ベルマーレに期限付き移籍すると、3バックの中央で抜群の存在感を発揮。同クラブへの完全移籍を決断し、キャプテンに就任した今季、さらなる覚悟を背負って戦う30歳が胸中を明かしてくれた。

 本記事では、現在発売中の「サッカーダイジェスト24年4月号」に掲載したロングインタビュー「キム・ミンテ"熱さの根源"」の未公開エピソードを紹介する。

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 並大抵でない覚悟を持って戦うキム・ミンテをサポートするのが、副キャプテンの舘幸希、田中聡、鈴木雄斗の3名だ。なかでも、新主将から山口智監督へ副将就任を推薦した選手がいたという。

「舘には絶対にやってほしいと思っていたし、キャプテンをやってほしいと言われた場で監督にそれを伝えました」

 昨季から選手会長も務める舘は、ピッチ外でも大きな影響力を持つ。「外国籍選手として、プレー中以外のキャプテンの仕事に対して、最初は不安があった」というキム・ミンテにとって、自身の不安を解消してくれる存在だと見ているのだろう。

 また、21歳の田中についても「副将をやってほしかった」と語る。

「監督に言ったわけではないけど、聡も年齢は関係なく、リーダー的存在になっていかなければいけない選手だと思っていました」
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 田中は2020年の湘南U-18時代に2種登録でプロデビューを果たすと、高卒1年目から主軸として躍動し、22年夏にベルギー1部のコルトレイクへ期限付き移籍。昨夏に同クラブから帰還し、再びレギュラーとして存在感を放っている。キム・ミンテの言う通り、今後のクラブを背負っていく存在として期待される選手のひとりと言える。

 ただ、「あまり向いていない気がしますが」という副将就任時のコメントも含め、田中には言葉の端々から自信のなさを感じさせる側面があるのも事実だ。

 キム・ミンテには、田中にひと皮剥けてほしい想いもあるのだろう。

「聡のキャラや性格的にそういう部分もあります。でも、だからこそやった方が良い。今は僕や鈴木雄斗、舘がいれば、聡が腕章を巻く機会はあまりないかもしれない。でも、声を出したりだとか、チームを引っ張るという自覚が芽生えればさらに良い選手になれると思いますし、将来的には聡がキャプテンマークを託されるべきです。聡はもう一度ヨーロッパへ行くべき選手だとも思っていますが、いつかは主将として湘南を牽引してほしいですね」

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