攻撃でうまく休む――高度な守備を誇る横浜FCは“奪った後”をどうするか。和田拓也は「やれることはもっとある」と期待

2024年03月14日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「前に早く行き過ぎて、ロストしてしまう」

3節・山形戦で今季初勝利を挙げた横浜FC。写真:鈴木颯太朗

 横浜FCは3節・山形戦で今季初勝利を挙げた。開幕から2分けで迎えたホームでの一戦は、カプリーニと中野嘉大の得点で2-0。待望の勝点3を掴んだ。

 とりわけ印象的だったのが、連動性に富む守備だ。ハイプレスを仕掛けても、自陣でブロックを組んでも、相手のボールホルダーをけん制しつつ、チーム全体で次の展開を予測して素早くポジションを取り、堅陣を築く。

 ほとんどピンチらしいピンチがなかった一方で、ボールを奪った後の展開は気になった。思うようにパスがつながらず、すぐにまた守備に回らなければならなくなる。

 ポゼッションでは相手を下回った。ただ、ボランチの和田拓也は「ボールを持たなかったことに関しては、別にそれはいいと思っている」という。

 しっかりと自分たちでゲームをコントロールできているのであれば、ボール支配率にはそこまでこだわらない。もっとも、「もう少しボールを大事にしたほうがいいシーンで、前に早く行き過ぎて、ロストしてしまう」ところは、改善の余地があると和田は考えているようだ。
【厳選ショット】カプリーニの先制弾&仕上げは中野嘉大!横浜FCが今季初勝利!|J2第3節 横浜FC2-0山形
 マイボールにして、必ずしも得点を狙いにいく必要はない。最終ラインでパスを回したり、サポートを早くしたり、裏を取ったSBが収められるように確実にフィードするなど、簡単に奪われないプレーがもっと増えてもいい。

「あの強度で(守備を)やり続けて、良い面も出たけど、アラが目立ったというか。もう少し体力的にもうまく90分をマネジメントしながら、攻撃でうまく休んでというほうが、ゲーム(山形戦)の満足度としては高かったかな」

 ボール保持にかかわらず、いかに自分たちが主導権を握って試合を進められるか。和田は「やれることはもっとある」とチームの伸びしろに期待する。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

【記事】「素直に自信になります」中村俊輔との"シュー練"でGK市川暉記は研鑽。球種、スピード、緩急、タイミング...「いろいろ考えてやってくれているのかな」

【記事】「また観たいかっていうと観たくない」小野伸二、"ファンタジスタが消えた"現代サッカーに本音。中村俊輔の「生きにくくなった」に同調

【PHOTO】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事