【移籍専門記者】プレミアリーグ得点王のケイン。大物代理人メンデスと契約してマンチェスター・Uへ?

2016年03月28日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

モウリーニョもかねてからケインを気に入っている。

得点ランク1位の21ゴールを挙げる活躍でトッテナム攻撃陣を牽引するケイン。昨シーズンも狙っていたマンチェスター・Uが再び引き抜きを画策する。(C)Getty Images

 あらゆる予想を裏切って首位の座を守り続けるレスターにばかりスポットライトが集まっているプレミアリーグだが、31節を終えて勝点5差で2位につけるトッテナムもまた、レスターに負けず劣らず素晴らしいシーズンを送っている。
 
 その牽引車となっているのは、エースのハリー・ケインだ。ここまでプレミアリーグでは得点ランク1位の21ゴール、ヨーロッパリーグでも2ゴールを挙げて躍進を支えている。
 
 マウリシオ・ポチェティーノ監督はこのストライカーを心から頼りにしているが、それも今シーズン限りまでかもしれない。夏になればケインはロンドンを去って、もっと涼しいマンチェスターの地に活躍の舞台を移す可能性が出てきたからだ。
 
 その理由は単純明快。超大物代理人ジョルジュ・メンデスが、ケインのマネジメントを務めることになりそうだからだ。このスーパーエージェントは、顧客であるジョゼ・モウリーニョをマンチェスター・ユナイテッドの指揮官に送り込み(事実上確定)、そのまま"赤い悪魔"の強化部門を影から仕切ろうと目論んでいる。
 
 よって、メンデスが新たに顧客となったケインを、今夏に最低でも一人の大物ストライカーを獲得するはずのユナイテッドに送り込む可能性は高い。モウリーニョがかねてからこのCFを気に入っているだけに、なおさらだ。
 
 同じくユナイテッドが引き抜きを狙っている28歳のゴンサロ・イグアイン(ナポリ)と29歳のエディンソン・カバーニ(パリSG)と比べて、22歳のケインはまだ完成度で劣る一方で十分な伸びしろを残しており、イングランド人という点も大きな魅力だ。
 
 もちろん、今や完全にクラブのアイコンとなっているだけに、トッテナムもおいそれとは手放せない。しかし、ユナイテッドから7000~8000万ユーロ(約91~104億円)級のメガオファーが届けば、首を縦に振らざるをえないだろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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