2連続ドロー、C大阪の現在地。香川真司の見解「やっぱりメンタリティ」

2024年03月03日 元川悦子

組織的なプレスと巧みなポゼッション

2節は鹿島と1-1ドロー。香川は「1点を取った後、極端に守備への意識が早すぎた」と振り返る。写真:永島裕基

 クラブ創設30周年の今季は悲願のJ1初制覇を果たすべく、2024年シーズンに挑んでいるセレッソ大阪。中盤に百戦錬磨の香川真司、右SBに日本代表の毎熊晟矢、前線に得点力のあるレオ・セアラらを揃え、タレント力は間違いなく上位クラスだ。

 2月24日の開幕・FC東京戦では高度な連動性と推進力あるサッカーで先手を取りながら、2-2と勝ち切れなかった。だからこそ、3月2日の鹿島アントラーズ戦は今季白星が欲しかった。

 23日の開幕戦で名古屋グランパスを3-0で撃破した鹿島に対し、セレッソは組織的なプレスと巧みなポゼッションで序盤から敵を凌駕した。

 今季に加わったアンカー田中駿汰と、香川&奥埜博亮の両インサイドハーフで構成する中盤の距離感やバランスは絶妙で、そこに毎熊、登里亨平の両SBも絡んでスピーディなパス回しを披露。前線へとつなぐ攻撃は観る者を大いに魅了した。

「ノボリ君と僕が真ん中でしっかり組み立てに入りながら、真司さんとオク君ができるだけ前に関われるように、相手の嫌なポジションにいることは常に意識してやっていたので、鹿島の選手たちはすごくやりづらそうにしていた。前半はメチャクチャ良い感じでボールポゼッションができていたかなと思います」と田中も手応えを感じながらプレーしていたという。
 
 香川の右からの斜めのクロスにカピシャーバが左から飛び込んだ24分の決定機、左の高い位置に流れた毎熊が思い切りの良いシュートを放った場面など得点の予感も漂ったが、前半は0-0。

「良い崩しができていたので、欲を言えば1点取りたかった」と香川も悔しさを滲ませた。確かにこれだけの圧倒的な内容なら、点が入っていて当然のはず。そこが今のセレッソの1つの課題と言えるだろう。

 後半に入ると、鹿島が鈴木優磨を投入してきたこともあり、立ち上がりは少し主導権を握られた。が、再びボールを握り返し、58分にはレオ・セアラが待望の先制点を叩き出す。舩木翔から登里、ルーカス・フェルナンデスに代わって途中出場した為田大貴と、左サイド3人の縦の推進力を活かした崩しからのお膳立てで、完全に鹿島の守備陣を崩した一撃だった。

 この後にも得点機はあったが、追加点を奪えず、迎えた終盤。鹿島は果敢に蹴り込む形を取ってくる。セレッソも山下達也を送り出し、5バックにして守ろうとしたが、「ラスト15分間は相手の圧を感じた」と香川も言うように防戦一方の展開に。そして85分に与えたFKから植田直通に飛び込まれ、打点の高いヘッドで失点する羽目になったのだ。

「勝ち切るために、大人のサッカーをするためには、まずあそこでファウルしちゃいけない。失点場面もフリーキックの瞬間、僕は前の選手(垣田裕暉)についていって後ろを為田選手に任せたんですけど、チームとしてどういう守り方をするのかしっかり話し合わなきゃいけない」と、毎熊は守備の部分で微妙なズレがあったことを指摘した。

【動画】縦の推進力を活かした崩しから! レオ・セアラの先制弾

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