【リオ五輪代表】2得点に絡んだ中島。前回五輪王者を破るも「まだ出し切っていない」

2016年03月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

相手の虚を突いた自身の先制点。縦パスで起点となった追加点。

トップ下に抜擢された中島は、ピッチ中央で伸び伸びとプレー。自身の先制点を含む2ゴールを生み出した。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 ポルトガル遠征中のU-23日本代表が25日(日本時間26日)、当地のリオマイオール・スタジアムでU-23メキシコ代表と国際親善試合を行ない、2-1で勝利を収めた。
 
 日本は、1月の五輪予選を兼ねたU-23アジア選手権でMVPに輝いたMF中島翔哉(FC東京)をトップ下に据える4-2-3-1の布陣をテスト。五輪予選では4-4-2の左MFだった背番号10のプレーメーカーを中央に置くことで、攻守に連係を高める狙いがあった。
 
 その中島が開始2分でゴールネットを揺らす。左サイドからボールを受け、ペナルティエリアの左角に進入するや否や左足を振り抜くと、DFが伸ばした足に当たって浮き上がり、大きな弧を描いてGKの頭越しに、ゴール右に吸い込まれた。
 
 まだ様子見モードだった相手の虚を突く一撃に「試合の入りは大事だし、自分の仕事はゴールを狙うこと。開始何分か分からなかったけど、打てる時に打つ意識で早い時間に決められたことは良かった」と納得の表情を見せた。
 
 33分には追加点の起点になる。自陣のハーフウェーライン手前でボランチの遠藤が奪ったボールを拾うと、ドリブルで前へ。中島から縦パスを受けた最前線の久保が、ヒールで流したところに南野が走り込んで決めた。
 
 中島は、2点に絡む活躍でトップ下起用に応え、「やりやすかったし、楽しかった。真ん中にいたほうがボールを持てるし、よりゴールに直結した動きができる」と振り返った。中央のエリアを崩しての得点はこれまであまり見られなかっただけに、戦術の幅が広がる勝利となった。
 
 所属のFC東京では、J3のU-23チームが主戦場という苦しい日々が続く。周りは2種登録のユース選手も多く、普段の練習で絡まないため、なかなかボールが出てこない。それでも「やるしかないし(U-23日本代表で)ベンチ外の選手はひとりもいない」と悔しさを露わにしていたが、常連の代表では特徴を理解されている。
 
 守備でも献身的な動きでコースを限定し「自分たちがやれることを見せられた」と、うなずいた。
 
 前回ロンドン五輪の優勝国を倒す金星にも、ストイックな男は手放しで喜ばない。「相手は実力を出し切っていない」と引き締めた上で、こう続けた。
「出し切ってないのは自分たちも同じ」
 
 背番号10は、リオでメダルを手にする日まで満足することはない。
 
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