【バイタルエリアの仕事人】vol.37 乾貴士|「リズムを変えて相手の意表を突く」トップ下で輝く35歳の類まれなサッカーセンス「小学生の時から意識しているのは…」

2024年02月28日 中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

「何がなんでもJ1に上がらないといけない」

J1昇格への並々ならぬ思いを語る。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第37回は、清水エスパルスのMF乾貴士だ。

 野洲高校では2年生時に全国高校サッカー選手権で優勝を経験し、卒業後の2007年に横浜F・マリノスでプロキャリアをスタート。翌年に移籍したセレッソ大阪で頭角を現した後、ボーフム、フランクフルト、エイバル、ベティス、アラベスと欧州のクラブを渡り歩いた。

 そして、2021年にセレッソ大阪で10シーズンぶりのJリーグ復帰。翌年の夏からは清水エスパルスでプレーしている。

 昨季、チームはJ1昇格プレーオフ決勝で東京ヴェルディに勝てず、あと一歩のところでJ1復帰を逃した。清水で3シーズン目となる今季、乾は昇格へ並々ならぬ思いだ。

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 今年は秋葉(忠宏)監督になって初めてのキャンプでしたけど、近年では珍しいぐらいかなり走り込みました。最近はどんどんボールを使ったフィジカルトレーニングが増えているなかで、素走りのメニューが多かったですね。他のチームでもあまりないんじゃないかな。個人的に身体は良い感じに動いています。でも、まだコンディションは上げられるかなと思っています。

 チームとしては連係面の細かいところでまだまだ合わない部分がありますし、もっと高めていかないとな、という感じです。選手同士で意見交換をしながらやれているので、徐々に合っていけばいいですけど、リーグ戦はスタートダッシュがすごく大事になります。勝ちながら自信をつけていきたいですね。

 昨シーズンは最後の最後にJ1昇格を逃して、また今シーズンもJ2で戦うことになってしまい、やはり悔しさは残っています。でも、そういう気持ちがメンタル的にプラスになるようにやっていければと思っています。新しい選手たちも入ってきてくれたので、前向きに取り組めています。

 今年は何がなんでもJ1に上がらないといけない。J2は昔と比べると、かなり難しくなっているのは事実です。もちろん、対戦相手との相性などもありますが、どこと戦っても楽な試合はないです。でもJ2に1年、2年と残ってしまうと、なかなか昇格のきっかけを掴めなくなってきてしまいますし、チームとしての価値も下がってしまうかもしれません。もともとJ1で長く戦っていたチームが上がれずに苦戦してしまうケースも多いので、ずるずると行かないように今年でなんとか昇格したいです。

【動画】独走ドリブル→右足一閃! J2最優秀ゴール賞に選ばれた乾貴士の痛快ミドル弾
 

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