あまりにも非礼な書き込みにスイッチが入ってしまったようだ。

　現地２月25日、元中国女子代表のＧＫ趙麗娜（ツァオ・リナ）さんが250万強のフォロワーを誇る公式ウェイボーでライブ配信を行なった。その最中、ポップアップされたとある心無いメッセージに激高し、号泣し、絶叫しながら反論を展開したのだ。
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　現在32歳の趙麗娜さんは188センチの長身を武器に活躍したＧＫだ。24歳で中国女子代表に初選出されると、女子ワールドカップやオリンピックなど大舞台で第１ＧＫを任され、2022年の女子アジアカップではチームの優勝に多大な貢献を果たした。中国国内ではその美貌とスタイルから「超美人ＧＫ」として人気を博し、リオ・オリンピック出場時には欧米メディアでも取り上げられたほど。そんな趙麗娜さんは惜しまれつつ、2023年４月にスパイクを脱いだ。

　引退後は精力的に活動の幅を広げた。趣味のドラムを活かして音楽活動をスタートさせ、中国で大人気の音楽リアリティー番組にも出演して話題を集める。モデルやタレント業もこなす傍ら、ライフワークとして立ち上げたのがチャリティー事業を担う「惑星計画」だ。

　中国国内の遠隔地に住む少年少女たちのためにサッカー用具を提供したり、サッカー教室で巡回したり、スタジアムや練習場を建設しようというプロジェクトだ。ライブ配信でも毎回募金を呼び掛けていたが、25日の番組中に「本当にチャリティーに使っているのか？」「集めたお金が怪しい」「懐に入れているんじゃないか？」といった書き込みが寄せられる。

　これまでは誹謗中傷に耐えてきた趙麗娜さんだったが、さすがに我慢できずに猛反撃。大粒の涙を流しながら「バカなこと言わないで！」「絶対にあり得ない！」など声を荒げて、中国の女子サッカーが置かれている現状や普及活動への熱い想いをぶちまけた。もちろん趙麗娜さんを支持する声が大勢を占めたが、あまりにもヒステリックな反応だったため、アンチたちの感情も爆発。配信終了後には情報が拡散し、広くネット上で賛否が渦巻く大論争に発展した。
 

　スポ―ツメディア『捜狐体育』は「趙麗娜が推進するプロジェクトは素晴らしく、彼女が一点の曇りもない人物であることは広く知られている」と擁護しつつ、「ただ現代にあっては、ネット上でのあのように取り乱した振る舞いは避けるべきだろう。彼女はその怖さを分かっていないのかもしれない」と指摘した。

　趙麗娜さんは放送の数時間後にウェイボーで長文を掲載。自身が引退からの１年間でどんなことに挑戦しながら過ごしてきたかを説明し、「惑星計画」が誕生した経緯から現在に至る成果などを丁寧に綴った。

　そして、これまでネット上での批判や非難に対して口をつぐんできたが、「汚れた視線を無視できるようになるには、もっともっと強くならなければならない」とコメント。そのうえで「私は自分が主張することを決して諦めない。守りたいもの、あなたたちを守れるように、もっと強くなりたい」と想いを込めた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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