キャリアを危険にさらすかのようなタックルで、批判を浴びたのは無理もない。だがそれが、誹謗中傷をされても仕方がない理由になることはない。

　２月18日に行われたプレミアリーグ第25節、シェフィールド・ユナイテッド対ブライトンの一戦では、三笘薫に対する悪質なタックルが話題となった。

　シェフィールド・ユナイテッドのメイソン・ホルゲイトによるタックルには、当初主審からイエローカードが出されたが、VAR介入によって一発退場に判定が変更。早い時間帯で数的不利に陥ったチームは、ブライトンに０－５と完敗している。

　幸いにも三笘はプレーを続け、得点にも絡んだが、ホルゲイトのタックルは大きな批判を呼んだ。ジェイミー・レドナップ氏は「暴行」「スキャンダラス」「近年最悪のタックルのひとつ」と非難した。

　自らのプレーを謝罪したホルゲイトだが、同時に人種差別の被害にも遭うようになったと訴えている。衛星放送『Sky Sports』など英メディアが伝えた。

　27歳のイングランド人DFは「週末でチームメートやクラブ、ファンを失望させてしまったことには謝罪しかできない。個人的には今週謝罪した」と述べている。

「だが、この48時間は受け入れるのが難しかった。僕のソーシャルメディアでずっと人種差別の嵐だ。スポーツと社会として、僕たちはもっと努力が必要だよ。人種差別に対してはその結果があるべきだ」
【動画】「ここ数年で最悪」元イングランド代表が猛批判した三笘への危険すぎるタックル

　シェフィールド・ユナイテッドは「可能な限りの強い言葉で」誹謗中傷を非難すると発表した。

「メイソンを支え、SNSでこの件を明らかにした彼を称賛する。クラブは関係当局と調査に取り組む。我々のスポーツにレイシズムの余地はない」

　また、レンタル元のエバートンも「ホルゲイトが受けた人種差別や差別的誹謗中傷を強く非難する」と声明を出している。

「こういった誹謗中傷は卑劣であり、決して容認されるべきでなく、許されない。クラブはメイソンを全面的に支え、声をあげた行動を称賛する。全員がそういった行為をSNSプラットフォームや当局に報告し、絶対に容認しないというスタンスをとらなければならない。オンライン上でも、スタジアムでも、コミュニティにおいても、人種差別の場所はない」

　一部による愚かな行為は、決して許されない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【記事】「レッドではない」英国中を震撼させた三笘薫への危険タックル、相手主将がまさかの"逆切れ"「退場で試合が台無しに」「正当だった」