【移籍専門記者】ポグバがさらに株を上げる。オークション最低価格は驚愕の1億2500万ユーロ!

2016年03月22日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ユーベは真剣なオファーならば、少なくとも検討する用意がある。

スクランブルでセカンドトップに入ったバイエルン戦では、崩しからフィニッシュの局面で際立った存在感。このパフォーマンスにより、移籍市場での価値はさらに高騰した。(C)Getty Images

 みんなポール・ポグバに首ったけ――。
 
 3月16日にアリアンツ・アレーナで見せたパフォーマンスとゴールによって、ポグバの株はさらに上がった。圧倒的な体格とパワー、底知れぬ走力、繊細なテクニック、そしてベテラン並みのパーソナリティーを駆使し、世界最強クラスであるバイエルンを相手に、互角以上に渡り合っていたからだ。

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 チャンピオンズ・リーグという最高の舞台で最高のパフォーマンスを見せたことで、あらゆるメガクラブが改めてポグバの価値を再認識し、獲得の可能性を真剣に模索し始めている。
 
 バルセロナはもう2年も前からウインクを送り続けているが、昨夏に続いて現在も具体的な動きにまでは至っていない。
 
 その隙をついて先手を打とうとしているのが、ライバルのレアル・マドリーだ。指揮官ジネディーヌ・ジダンは以前からポグバに惚れ込んでおり、一度ならず個人的にコンタクトを取ってきた。もし来シーズンも続投するならば、フロントに提出する補強リストの筆頭にポグバの名前を挙げるのは間違いない。フロレンティーノ・ペレス会長は黒人選手を好まない傾向があるものの、ジダンの要望とあれば動かざるをえないかもしれない。
 
 もちろん、プレミアリーグ勢も黙ってはいない。ポグバにとってユーベでの最初の監督だったアントニオ・コンテの監督就任が内定しているチェルシーは、昨夏に続いて今夏も本気で引き抜きを狙っている。すでに水面下のコンタクトを始めた。
 
 また、マンチェスター・シティはやや遅れを取っているものの、資金的な備えは十分だ。ジョゼップ・グアルディオラ新監督が獲得を望んでもいる。
 
 そしてパリ・サンジェルマンも、ポグバを手に入れるためなら天井知らずのオークションに喜んで参加するだろう。本人は母国復帰を望んでいないが、価格競争になればカタール王族が保有するパリSGの存在は決して無視できない。
 
 ユーベは真剣なオファーを受ければ、少なくとも検討する用意がある。しかしもちろん、1億ユーロ(約130億円)以下のオファーに取り合うつもりは毛頭ない。
 
 ちなみに、代理人のミーノ・ライオラとの間には、「移籍金の20パーセントを渡す」という紳士協定が交わされている。となれば、オークションのスタートラインは1億2500万ユーロ(約162億円)からになる。そうでなければ、ユーベの手元には1億ユーロが入らないからだ。
 
 はたして、ポグバを競り落とすのはどのクラブなのか――。間違いなく、今夏でもっとも注目のオペレーションだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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