象徴的だったバーレーン戦の1点目。外側にステイで“陰のアシスト”。カギ握る久保・堂安・毎熊のトリオ【アジア杯】

2024年02月02日 河治良幸

良い意味でお互いに遠慮がない

効果的な位置取りでバーレーン戦の1点目に関与した久保。後半開始早々には貴重な追加点も決めた。写真:サッカーダイジェスト(現地特派)

 アジアカップのラウンド16でバーレーンに3-1で勝利し、準々決勝に進んだ日本代表。前向きに評価できるのは、選手間のイメージ共有が高まり、各エリアで距離感やコンビネーションにアップデートが見られることだ。

 グループステージ3試合目のインドネシア戦から、そのまま引き継がれた中盤から前のポジションは、二者間の連係に加えて、3人目の動きなどもよく見られた。特に目を引いたのは、堂安律と毎熊晟矢に久保建英を加えた右のトライアングルだ。

 4-2-3-1とも4-3-3とも取れる森保ジャパンのシステムにあって、久保は前者ならトップ下、後者なら右インサイドハーフを担う。森保一監督はスタートをどちらにするにしても、状況を見ながら臨機応変に可変させていいと選手たちに伝えているという。

 左右のインサイドハーフを「10番&8番タイプ」と、ボランチもこなす「6番&8番タイプ」で組み合わせているのも、おそらくそのためだ。バーレーン戦もスタートは旗手怜央が左、前半途中から守田英正が投入されている。

 右サイドの関係を見ると、まず左利きの堂安と縦の推進力がある毎熊というタイプの相性が良い。もちろん伊東純也も右外に張るだけでなく、インサイドで絡むこともできるが、基本的には右サイドバックが後ろからサポートしながら攻め上がりのタイミングを見極めることになる。

 その場合は菅原由勢のバランスワークが活きやすい。堂安の場合は基本がインになるので、大外のレーンはほぼ毎熊の独壇場となる。
 
 バーレーン戦はインドネシアの5バックを崩す状況に比べると、毎熊も多少バランスを見ながらではあったが、中よりに堂安がボールを持つ時には必ずと言っていいほど、毎熊が高い位置で絡んでいた。

 ただ、そればかりだと対戦相手に読まれてしまう。そこで効果的なアクセントになるのが、久保の右ワイドに関わるプレーだ。久保と堂安は東京五輪チームからコンビを組むこともあり、近い距離感でのコンビネーションで何度もゴールチャンスを生み出してきた。

 そして流れや時間帯によってはポジションを入れ替える。そこは久保が同ポジションで出ていても、右サイドが伊東なのか堂安なのかで、かなり変わってくるところだ。

 久保は2列目としては活動範囲の広い選手だが、伊東と組む場合は右外を彼の突破力を活かすエリアと想定しているので、あまり外側までは行かないし、ポジションチェンジもほとんどしない。

 それが堂安だと、良い意味でお互いに遠慮がない関係で、立ち位置が逆になっていることもよくある。彼らの後方に位置する毎熊としても、基本は堂安との縦関係だが、久保と右側で絡むシーンも増えるということだ。

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