バーレーンはどんなチーム? 要注意は9番のユスフ。指揮官は元サウジ監督で5年前に対戦【アジア杯】

2024年01月26日 元川悦子

「必ず日本という壁を突破できる」

ヨルダン戦で決勝弾のユスフ。高さとスピードを併せ持つ絶対的な点取り屋だ。(C)Getty Images

 ベトナム、イラク、インドネシアと戦ったアジアカップのグループステージ(GS)で、日本は2勝1敗の戦績で2位突破。1月25日、ラウンド16の相手が決まるE組の最終節が行なわれた。

 試合前の段階ではヨルダン、韓国、バーレーンの順に可能性が高かったが、試合経過のなかで、マレーシアと対戦していた韓国が最有力候補に浮上。そのまま終わるかと思われたが、後半ロスタイムにマレーシアに被弾し、3-3のドロー。その結果、ヨルダンを1-0で下したバーレーンが1位通過し、日本と激突することになった。

「日本は強い相手。タフな試合になる」とバーレーン・サッカー協会の数人のスタッフが揃って険しい表情を浮かべていたが、やはり彼らにとって日本は非常に高いハードルなのだ。

 指揮を執るアルゼンチン出身のファン・アントニオ・ピッツィ監督も、試合後の記者会見で「日本はエクセレントなチーム。欧州で経験を積んでいる選手が多く、手強い相手だ」と神妙な面持ちでコメントしていた。

 実はこの指揮官は、2019年UAE大会でサウジアラビアを率いており、ラウンド16で日本と対戦。ボール支配率では72%と圧倒しながら、決定力を欠き、冨安健洋(アーセナル)のリスタートからのヘディング弾に屈している。
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「5年前にも日本とはノックアウトステージで対戦していて、非常にタフな試合だったことをよく覚えている。個人個人が高い技術とポテンシャルを持っていて本当に厄介だった」と最大級のリスペクトを口にした。

 その一方で「我々も自分たちの戦い方に大きな自信を持っている。必ず日本という壁を突破できると思っている」とも発言。前回の屈辱を糧にあらゆる手段を講じ、勝ちに来るに違いない。

 GSでのバーレーンの戦いぶりを見ると、韓国に1-3、マレーシアとヨルダンに1-0という結果で、特長としては、タフな球際と寄せ、ハードワークを強く押し出してくる。特に韓国戦ではその傾向が強く、韓国も彼らの荒々しさにかなり苦戦。縦に速い攻めとサイド攻撃にヒヤリとさせられるシーンもあった。

 ヨルダン戦でも、しっかりと自陣に引いて強固なブロックを形成。相手にボールを持たせながらも激しいプレスをかけて中盤で奪い、最前線の194センチの長身FWアブドゥラ・ユスフ(9番)の裏抜けで虎の子の1点を叩き出している。

 このユスフはチェコのFKムラダー・ボレスラフでプレーする数少ない海外組。日本相手に2得点したイラクの大型FWアイメン・フセインのような完全なるターゲットマンではなく、高さとスピードを併せ持つ絶対的な点取り屋だ。

 彼に仕事をさせてしまうと、日本としては非常に厳しい展開に陥りかねない。そこは確実に潰していくことが重要だ。

【画像】アジアカップ、16強が出揃う! 対戦カードは?

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