イラクの術中にまんまとハマった日本。こういう相手に勝ってこそ「W杯優勝」が現実的な目標になるのだが…【アジア杯】

2024年01月19日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

怖さのないセットプレーは大問題

遠藤(6番)は1点を決めたものの、組み立ての局面で持ち味を出せなかった。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 2024年1月19日、日本がアジアカップのグループリーグ2戦目でイラクに1-2と敗戦。そのスコア以上に内容では完敗だった。

 中央の守備を固めてきたイラクに対して日本は持ち前の速攻を繰り出せず、コーナーキックを得ても効果的にシュートに結びつけられない。攻撃陣と同様に守備陣もピリッとしない状態で前半5分にあっさりと先制されると、前半のアディショナルタイムにはカウンターから再びアイメン・フセインに痛恨の2点目を決められた。

 イラクからしてみれば、してやったりのゲームだろう。とりわけ素晴らしかったのがフランス・プロトスとアミル・アル・アンマリの両ボランチで、この2人はトップ下の久保を消しつつ、守田と遠藤のパスコースをかなり限定していた。

 つまり、日本が中央突破をそこまで仕掛けられなかった背景に彼らの奮闘があったのだ。この日の日本は強固な守備網を張りつつカウンターを発動させるイラクの術中にまんまとハマった印象で、ストレスの募る戦いを続けた。

 怖さのないセットプレーは大問題だ。得点に繋がったのは後半アディショナルタイムの1本だけ。あれだけコーナーキックのチャンスがありながらゴールの匂いがしないのはいただけない。

 センターで使ってこそ生きる南野をなぜ左サイドで使ったのかなど森保監督の采配にも疑問はあったが、日本がダメというよりはイラクの戦いぶりを褒めるべきだろう。
 
 サイドはやられても中央は割らせないディフェンスで日本の攻撃を停滞させ、強みであるカウンターから決定機を作る。後半のアディショナルタイムに1失点したものの、イラクがほぼ支配したゲームだったと言えるだろう。

 こういう相手に勝ってこそ、森保監督や遠藤らが口にする「ワールドカップ優勝」が現実的な目標になるのだが…。イラク戦のような負け方をすると、その目標も陳腐に映る。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)


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