イラク戦必勝の“3か条”。キャプテン遠藤航も気を引き締める。ベトナム戦の教訓をどう活かすか?【アジア杯】

2024年01月17日 元川悦子

イラク戦では“失敗しない戦い”を

次戦はイラクと相まみえる日本。連勝を飾り、グループ首位突破に前進したい。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 アジアカップでグループDの初戦が終わり、日本とイラクが揃って勝点3をゲット。総得点で上回る日本が首位に立っている。

 ここまでは想定通りの展開と言えるが、日本の今後の命運を左右するのが、19日のイラクとの第2戦。15日にインドネシアを3-1で下した彼らは勢いに乗っている。最前線のモハナド・アリを軸としたカウンター、迫力あるセットプレーなど要注意ポイントは少なくない。

「イラク対インドネシアの試合は結果は知っていますけど、全部は見れていません」と16日に29歳の誕生日を迎えた南野拓実(モナコ)が語ったように、日本代表の本格的なイラク対策は17日以降になる模様。それでも、中東勢がキックオフ時から凄まじい勢いでぶつかってくることを、百戦錬磨の彼らは熟知しているはずだ。

 U-20、U-23と年代別代表時代から難しい予選を数多く経験してきたキャプテンの遠藤航(リバプール)はその最たる存在。14日の初戦・ベトナム戦では相手に一時リードを許すという最悪の展開を余儀なくされたが、その教訓を踏まえ、イラク戦では"失敗しない戦い"を見せていく構えだ。

 遠藤が重視する次戦の重要ポイントの1つ目は、やはり試合のスタートだ。

「試合の入りは常に大事。勢いを持ってやるというのは僕らもそうだし、どのチームもそう。立ち上がりの10分、15分は前からプレッシャーに行くチームが増えていると思う。そこで僕らはゼロに抑えながら、自分たちからアクションを起こして先制点を取りにいく。そういう形が大切になっていく」と遠藤は言う。
 
 キックオフから相手を脅威に陥れるほどの強度と迫力を示せれば、イラクもさすがにひるむはず。そういった形に持ち込みたいものだ。

 ベトナム戦を振り返ると、前半の日本はチームのデュエル数で相手を下回った。それはブンデスリーガで2年連続デュエル王に輝いた男にとっては、納得いかない現実。前回の日本はそれだけ組織的な守備ができず、ボールを奪えなかったということなのだ。

「1対1の部分もそうですけど、相手のボールの動かし方に対して自分たちのプレスがハマっていなかった。後半はちょっとシステムを変えたり、行くメリハリをしっかりつけることでプレッシャーもある程度、上手くかけられるシーンが何回かは作れたと思います」

 このように遠藤はマイナス要素に目を向けるのではなく、修正力を前向きに捉えていた。確かにサッカーはミスのスポーツ。短時間でリカバリーできれば問題ない。そういったマインドも確かに重要だ。

 イラクは日本と同じ4-2-3-1がベースであるため、ミスマッチは起きないし、プレスがハマらないといった事態は起こりにくい。そこも追い風と言えるかもしれない。

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