「俺たちも続け」選手権準優勝、近江の大躍進が“ライバル勢”に刺激! 草津東や立命館守山など、滋賀の選手たちは燃えている

2024年01月15日 森田将義

「まだ余韻は残っている」

近江は滋賀県新人戦の準決勝で立命館守山を下し、決勝へ駒を進めた。写真:森田将義

「まだ(選手権)準優勝の実感はあまりない。凄いことなのですが、自分たちが本当にやったのかなって。監督も言っていたのですが、夢の中にいるような感じ。まだ余韻は残っている」

 そう口にするのは、MF廣瀬脩斗(2年)。決勝で立った国立の余韻に浸る間もなく、近江の2024年度が始まった。

 1月13日の新チームの初戦となった滋賀県新人戦の準々決勝・八幡商戦は、選手権決勝から中4日。2週間以上の熱戦を乗り越えた疲労もあって体調不良者も出たため、選手権決勝のピッチに立った選手の中で、この試合に出場したのは廣瀬のみとチーム作りはままならない。

 2-0で八幡商を下したものの、翌日に行なわれた準決勝の立命館守山戦では開始早々に失点し、追い掛ける展開を強いられた。

 ただ、代は変わっても積み上げてきたサッカーへの自信に揺るぎはない。

「先制されたけど自分たちの力ならとり返せるし、勝ち越せるかなと思っていたので、そこまで焦りはなかった」

 廣瀬の言葉通り、高い技術を生かしたドリブルで相手を剥がしながら、ボールを繋いで試合の主導権を握ると、前半のうちに同点に。後半は2ゴールを奪い、3-1で逆転勝利を収めた。

 全国での躍進によって近江への注目度は高まっているが、選手権準優勝という成績は先輩たちの代が築き上げたモノだと認識している。今年はまた今年のチームを作っていくだけだ。廣瀬はこう話す。
 
「去年を超えたいし、去年と同じ舞台に行きたい。でも、自分たちの代は自分たちの代で強さを出して、それを全国で示したい。最終的には自分たちの代も"強かった"、"面白かった"と言ってもらえるようにしていきたい」

 近江の躍進は、滋賀県のライバル勢に刺激を与えているのは間違いない。「勝っても負けても良い基準が知れる」と準決勝前に話していた立命館守山の吉田貴彦監督は、実際に対戦して改めて全国基準を痛感したという。
 
「攻撃の所に目がいきがちだけど、高い強度を持っていてやりにくいチームだと改めて感じた。うちももっと鍛えなければいけない」

 昨年の選手権予選の準決勝で近江と対戦した際は、後半終了間際の失点により、0-1で敗戦した。

「全国は悔しかったけど(近江を)途中から応援していた。見ていて面白いサッカーをしていたし、金山耀太くんなど注目選手が滋賀だけでなく、全国でも戦えていたので尊敬していた」

 そう話すMF氷見亮陽(2年)は打倒・近江を果たすため、セットプレーに力を入れ、新人戦準決勝での対戦ではCKを直接決めている。

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