U-19日本代表を活性化するふたりの高校2年生。「J注目のストライカー」と「G大阪の未来を担うMF」

2016年03月11日 安藤隆人

ジュニア時代から顔なじみのふたり。岩崎悠人と堂安律がチームに刺激をもたらす。

3月9日の全日本大学選抜戦では、同じピッチに立った岩崎(左)と堂安(右)。少年時代からともにプレーしてきた間柄だ。写真:安藤隆人

 京都橘高のエースストライカー・岩崎悠人が、17歳にしてガンバ大阪のトップチームに昇格した堂安律について話す時、その表情は生き生きとして楽しそうだ。堂安が岩崎について話す表情もまた同様で、ふたりの仲の良さが伝わってくる。
 
「律とはタイミングがすごく合うんです。彼のボールの持ち方、判断の質の高さはずっと見ているので、直感で分かるんです」
 
「悠人のプレーの特徴は分かっているので、活かしたいんです。すごく良いライバルで、悠人はいろんなJクラブから注目されているし、僕もアドバイスしたりされたりの仲。想いは一緒で、常に同じ気持ちで試合に臨めている良い仲間でもあります」
 
 同じ高校2年生(新3年生)で、U-19日本代表のチームメイト。大阪出身の堂安と、滋賀出身の岩崎とあって、ジュニア時代から関西選抜などで一緒だった。抜群のスピードとそのスピードに乗った状態でのボールコントロール、フィニッシュに優れた岩崎と、高いボールコントロール技術を活かしたドリブルと、左足から繰り出されるパス、シュートが魅力の堂安。
 
 ふたつの才能は、いつでも切磋琢磨しながら同年代をリードしてきた。全日本大学選抜戦でも、彼らは3本目から同じピッチに立った。2トップの一角の岩崎と、右サイドハーフに入った堂安。フィジカルに勝る相手に対し、ふたりはスピードとボディーバランスを活かしたプレーで勝負を挑んだ。
 
 立ち上がりには右サイドでボールを受けた堂安が、岩崎にクサビを当てると、そのまま裏へ飛び出して行く。岩崎がフォローに来たFW邦本宣裕に落とすと、邦本は堂安にスルーパス。これはわずかに合わずにDFにクリアされたが、スピード、テンポともに絶妙で、相手に脅威を与えた。
 
 だが、その後が続かなかった。ふたりとも時折見せるドリブルには非凡なモノを見せたが、攻撃の連係という面では、全体が噛み合っておらず、チャンスを生み出せないまま終わってしまった。
 

次ページ年少世代ではあるが、チームの先頭に立つ気概を見せるふたり。

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