「やっぱり初戦が全て」大事なベトナム戦でゴールマウスを守るのは――気力充実の鈴木彩艶「1人でも甘い気持ちを持ってはいけない」

2024年01月12日 元川悦子

アジア杯GKにとって受難の大会?

ベトナム戦でスタメン濃厚の鈴木。「どの試合であろうとゼロに抑えたい」と気合を入れる。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 現地1月12日のカタール対レバノン戦から、いよいよ幕を開けるアジアカップ。4日から現地入りし、調整を続けている日本代表も臨戦態勢に突入。初戦のベトナム戦を3日後に控えた11日の練習の終盤は非公開で、フォーメーション練習などを消化。入念な準備を続けている。

 9日に非公開で行なわれたヨルダンとのテストマッチに出なかった久保建英(レアル・ソシエダ)がフルメニューをこなし、冨安健洋(アーセナル)や三笘薫(ブライトン)もピッチに姿を見せたものの、怪我や体調不良を抱えている面々は初戦を回避となるだろう。

 となれば、FW細谷真大(柏)、トップ下・南野拓実(モナコ)、ボランチ・遠藤航(リバプール)と守田英正(スポルティング)、DF板倉滉(ボルシアMG)、谷口彰悟(アル・ラーヤン)らが先発に名を連ねると見られる。

 ゴールマウスを守るのは、パリ五輪世代のGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)が濃厚。昨年11月の2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選で、より重要度の高いシリア戦で先発起用。21歳の守護神に対する森保一監督らスタッフ陣の期待は非常に大きい。欧州クラブで定位置を確保している人材が少ないポジションだけに、彼がアジア制覇の原動力になってくれれば、チームにとって大きなプラスになるのは確かだ。
 
 とはいえ、アジアカップというのはGKにとって受難の大会になる傾向が強い。過去に日本がタイトルを取った92年広島、2000年レバノン、2004年中国、2011年UAEの4大会を見ても、必ずと言っていいほどGKが関与するアクシデントが起きている。

 森保監督がプレーヤーとして参戦していた広島大会では、正GKだった松永茂立が準決勝・中国戦で退場。急遽、出番が回ってきた前川黛也(神戸)の父・和也がまさかのトンネルから失点。窮地に陥った。最終的には中山雅史の決勝弾で勝ち切り、ファイナルでサウジアラビアを下して頂点に立ったが、まさに薄氷の初戴冠だったと言っていい。

 反日ムード一色だった中国大会も、川口能活の神セーブがなければ勝ち切れなかったし、UAE大会も川島永嗣がグループステージのシリア戦で退場というまさかの事態に直面。それを克服し、紆余曲折の末に頂点まで辿り着いている。

 VARが導入されている今は、ペナルティエリア内のハンドなどが起きれば、瞬く間にPKになってしまう。120分間で決着がつかなければPK戦もあるし、GKのやるべき仕事は多岐にわたる。

【アジア杯PHOTO】ようやくカタールで姿を見せた!待望の久保建英を特集!

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