ELトッテナム戦で終盤投入だった香川真司「ライバルに負けないようにアピールしたい。勝ち抜くしかない」

2016年03月11日 山口裕平

全てを受け入れて、ポジティブに頑張っていくしかない――。

10分弱の出場時間に止まったトッテナム戦。鋭いスルーパスを見せたが……。 (C) Getty Images

 3月10日のトッテナム戦(ヨーロッパリーグ・ラウンド16)、香川は3試合連続で先発を外れることになった。ただ、これは先週末の"大一番"バイエルン戦でベンチ外となったことを考えれば、決して驚きではなかった。

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 ホームでの第1戦を3-0で勝利という最高のかたちで終えたドルトムントだが、この日もトゥヘル監督の選択した戦い方は慎重で、その構想のなかに香川が入ることはなかった。
 
 トゥヘル監督がバイエルン戦の先発メンバーから手を加えたのは、GKビュルキ→ヴァイデンフェラー、打撲でメンバー外となったギュンドアン→カストロのみだった。
 
 攻撃時こそ、いつものように4-1-4-1のフォーメーションを採ったが、守備時にはバイエルン戦同様、右ウイングのドゥルムがウイングバックのような低いポジションをとって5バックを形成した。
 
 中盤はヴァイグル、カストロ、ムヒタリアンというメンバーで逆三角形を形成したが、いずれも激しい守備のタスクを完璧にこなしてみせたところからも、トゥヘル監督の起用の意図が窺えた。
 
 欧州カップ戦のノックアウトラウンドでは、アウェーゴールを奪われれば第2戦での戦いが難しくなりかねないため、ホームでの第1戦は大胆かつ慎重に戦わなければならなかったのだ。
 
 82分からピッチに立った香川は、チャンスを狙いつつもチームが失点せず、良いかたちで試合を終えられるよう意識してプレーした。高い位置でボールをカットし、カストロへスルーパスを送ったシーンはあったが、その後はチャンスが訪れることはなかった。
 
「(自分の現状について)嫌でも納得しないと前に進めない感じがするから、しっかり自分なりに受け止めるところは受け止めて……。チームが勝っていることは大きなことですし、やっぱりチームが勝っていると、『自分もやらなきゃいけない』という強い刺激になっています」
 
 バイエルン戦でメンバーを外れた香川だが、トゥヘル監督との個別な話し合いはなかったという。その意図については監督が会見で語ったように、戦術的なものだと受け止めるしかない。
 
「(監督は出場する)チャンスはくれているのでね、あとは自分がピッチで証明していくしかない。だからこそ、練習から監督が何をしたいのか、そしてチームにとって必要な自分のプレーとは何かを、よりを感じるようになったし」
 
「フォーメーションも試合展開によって変わるなかで順応していかないといけない。今日もみんな、順応して良いプレーをしていたので、そういうところも求められていると思います」

次ページここで勝ち抜いていくしかない――。必要なことも見えている。

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