退任する「なでしこ」佐々木監督が明かした宝物にしたい試合はW杯決勝でも、五輪決勝でもなく…

2016年03月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官が挙げたこの予選での最大の誤算とは?

佐々木監督は、初戦の相手であるオーストラリアが「イメージよりも質の高いサッカーをしてきた」と語った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2008年2月から丸8年続いたなでしこジャパンの佐々木体制がついに終焉を迎えた。
「予選で結果が出ないとなれば、責任をとらなければいけないという想いはあった」というなかでの決断。毅然とした口調で最後の監督会見に臨んだ。
 
 第1戦のオーストラリア戦で完敗を喫し、波に乗り切れないまま五輪出場への挑戦はあっけなく幕を閉じた。
 
 佐々木則夫監督は、初戦の相手となったオーストラリアに「準備段階で持っていたイメージよりも質の高いサッカーをしてきた」と感じたという。
「非常に流動的なサッカーをしていて、決してパワープレーではなく、しっかりボールを動かし、組織的な守備もできていた。ここの誤算が一番大きかった」
 
 初戦で狂った歯車は第2戦の韓国戦でも噛み合わず、味方同士の接触から勝点3がこぼれ落ちた。
「第1戦、第2戦でしっかり勝点を取れなかったことで、選手のミスにつながったり…、僕の指揮の部分も含めて上手くいかなかった。そうした面でも誤算があったのかなと」
 
 リオで迎えるはずだった集大成は、まさかの予選最終戦の北朝鮮戦となってしまった。難しいメンタル状況で試合に臨んだ選手たちを指揮官はこう讃えた。
「消化試合のような形になってしまったが、選手たちは(最初の)3試合の反省を踏まえて、この2戦は下を向かずに前向きにやってくれた。初戦から本来の力を出してあげられなかったのは私の大きな責任。退任どうこうで許されることではないと思っているが、今日(北朝鮮戦)は、選手たちが前を向いて次につながる試合をやってくれたと思う」
 
 そして、報道陣に「この8年間を振り返って最も印象に残っていることは?」と問われた佐々木監督は、ふたつの試合を挙げた。それが就任して初めてのゲームとなった2008年2月の東アジアカップ・北朝鮮戦(○3-2)と、佐々木体制でのラストゲームとなったリオ五輪最終予選・北朝鮮戦の2試合だ。
 
 

次ページ北朝鮮相手の壮絶な逆転勝利が、その後の快進撃に。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事