【韓国メディアの視点】Jリーグ勢に厳しい指摘。「日本はACLに弱いジンクスを払拭できていない」

2016年03月10日 慎武宏

「広島やFC東京は、戦力面でやや劣る」とソ・ホジョン記者。

髙萩(2番)が所属するFCソウルは、広島に完勝。韓国メディアには、新戦力のP・ウタカ(9番)は力不足に映ったようだ。(C)Getty Images

 グループリーグ2戦を終えたACLで、FCソウルが2勝、浦項スティーラーズが1勝1分、全北現代が1勝1敗、水原三星は1分1敗というまずまずのスタートを切った。
 
 それもあって、韓国メディアはKリーグ勢に及第点をつけている。「東アジア3か国、ACL第2戦までの成績表は?」と題した記事のなか、『スポーツ・ソウル』もこう報じている。
 
「まだ始まったばかりだが、第2戦までを終えた今季ACLの構図は例年と同じ流れだ。Kリーグが伝統のパワーで優位に立ち、中国スーパーリーグも"マネーパワー"で同じような勢いを誇っている。反面、日本はACLに弱いジンクスを今回も払拭できていない様子だ」
 
 ホームでは2勝1分1敗を記録するも、アウェーでは1分3敗に終わったJリーグの現状を韓国メディアも指摘しているわけだ。
 
「その1分3敗はすべて韓国で行なわれたKリーグとのアウェー戦だったことが特に目を引く」とさえしているほどだが、韓国人記者の目にKリーグ対Jリーグ対決の第1ラウンドはどう見えていたのか。韓国の著名なサッカージャーナリストであるソ・ホジョン記者は語る。
 
「Kリーグ勢の戦力補強がうまく行った印象を受けました。特にソウルと全北現代。ソウルはデヤン、ジン・ジンホ、チュ・セジョン、全北はキム・ボギョン、コ・ムヨル、ロペスといった新戦力がしっかり役割をこなした。ソウルはアドリアーノに高萩、全北はイ・ドングッやイ・ジェソンなど既存の主力も健在だった。そんな2クラブと比べると、サンフレッチェ広島やFC東京は戦力面でやや劣ると感じました。試合を決める選手にレベルの差があったと思います」
 
 ソ・ホジョン記者が気になったクラブとして真っ先に上げたのは、FCソウルに1-4の大敗を喫した広島だった。
 
「佐藤寿人が欠場したこともあるのでしょうが、なによりも移籍したドウグラスが抜けた穴が大きいと感じました。ピーター・ウカタや浅野拓磨では役不足でした。守備も我々が知っている広島らしい強固さがなかった。Jリーグ王者らしくなかったですね」

 全北に1-2で敗れたFC東京に関しても、攻撃陣の迫力不足を感じたという。
「FC東京の中盤の組織力とカウンターアタックには目が見張るものがありました。パワーと決定力では全北に敵いませんでしたが、組織力で全北に引けをとったわけではない。ただ、前田遼一とネイサン・バーンズはさほど脅威には映りませんでした。全北に及ばなかったのは保有する戦力量の違いだったと思います」

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