［高校選手権２回戦］明秀日立（茨城） １（6PK5）１ 東海大大阪仰星（大阪）／12月31日／等々力

　チームメイトの温かい声掛けが、同点弾に繋がった。

　明秀日立は12月31日、選手権の２回戦で東海大大阪仰星と対戦。１－１で突入したPK戦を６－５で制し、３回戦進出を決めた。

　立ち上がりから明秀日立がボールを握る展開のなか、前半12分に一瞬の隙を突かれて失点。CBの飯田朝陽が、自陣ゴール前へのロングボールに反応して競り合った際、相手と接触して転倒。こぼれ球を東海大大阪仰星の小林旺誠にゴールへ流し込まれ、先制を許した。

　１点ビハインドで前半終了の笛が鳴った直後、失点に絡んだ飯田は下を向いていた。そしてロッカールームに戻ると、周囲の選手に「ごめん」と謝った。萬場努監督も「前半が終わって帰ってきた時は、やはり少し平常心を保つのが難しそうにしていました」と飯田の姿を振り返る。
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　しかし、指揮官は「ただ、私もビックリしたんですけど」とこう続けた。

「メンバー外やベンチの子たちが、すごく彼（飯田）に勇気を与えてくれるような働きかけをロッカーでしてくれていた。悪い言葉で言うと"イジる"ですが、『こういうこともあるぞ』『こんなもんじゃないだろ』と声を掛けてもらっていましたね」

　飯田も試合後、チームメイトへの感謝を述べた。

「ハーフタイムに周りの人たちが『全然大丈夫』とか、『負けてないよ』と言ってくれて、前向きな声掛けをしてくれた。そのおかげで後半はリラックスして入ることができました」

　周囲の気遣いによって、もとの精神状態を取り戻した飯田は後半27分、CKに得意のヘディングで合わせて同点ゴールをマーク。そしてチームはPK戦をしっかりと勝ち切り、次のステージへ駒を進めた。

取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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