板倉滉は完全回復をアピールも、不安が拭えない森保ジャパンのDF陣。タイ戦で確認すべきことは?

2023年12月29日 元川悦子

本来のパフォーマンスを発揮できるか

怪我明けの板倉は「タイ戦もアジアカップも問題なくいけます」とコメント。期待に応える活躍を見せたい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2024年の幕開けを飾る1月1日のタイ戦。直後に控えるアジアカップを見据えて重要なテストマッチでもある。この一戦に向け、日本代表が28日から千葉県内で始動した。

 初日は合流が遅れている谷口彰悟(アル・ラーヤン)ら4人、体調不良の上田綺世(フェイエノールト)、別メニューの伊藤洋輝(シュツットガルト)、浅野拓磨(ボーフム)を除く17人が全体練習に参加した。

 10月下旬に左足首の手術を受けた板倉滉(ボルシアMG)もフル稼働し、「想定より長くなっちゃいましたけど、今はスッキリしている。タイ戦もアジアカップも問題なくいけます」と断言。最終ラインの大黒柱の代表復帰に、森保一監督らスタッフも安堵したことだろう。

 とはいえ、板倉は10月17日のチュニジア戦以降、2か月以上も実戦から遠ざかっている。ブンデスリーガでは9試合も欠場していて、強度の高いゲームでどこまで本来のパフォーマンスを発揮できるか未知数だ。

 ちょうど1年前のカタール・ワールドカップの際も、直前に約3か月の長期離脱を強いられながら本番にピークを合わせた経験はあるものの、今回も同じように順調に行くか分からない。そこは気がかりな点と言うしかない。
 
 他のDF陣を見ても、冨安健洋(アーセナル)が12月2日のウォルバーハンプトン戦で左足ふくらはぎを痛めて離脱中で、復帰の目途が立っていない。「アジアカップは参戦可能ではないか」という現地報道もあるようだが、確証はない。

 そして伊藤洋も現時点では筋肉系の負傷が癒えていない。28日もトレーナーとともにランニングやアジリティを上げる練習に取り組んでおり、やはりタイ戦は難しそうだ。

 アジアカップ初戦のベトナム戦は1月14日と2週間以上先で間に合う可能性は高いが、コンディションをベストに引き上げられるかという不安はあるだろう。

 となれば、直近のタイ戦でまずやるべきなのは、板倉の状態を徹底確認することだ。ご存じの通り、今の森保ジャパンにとって彼は冨安と並ぶ守備陣の絶対的主軸。それだけ重要なプレーヤーが、アジアカップで最大7試合をこなせるか否かで、指揮官のチームマネジメントも変わってくる。そこは最重要テーマと言っていい。

 そのうえで、谷口と町田浩樹(ユニオンSG)のコンディションやパフォーマンスをチェックし、万が一の場合に備えておく必要がある。板倉、冨安、伊藤洋が揃って芳しくない状況に陥れば、谷口と町田の存在価値は一気に高まるからだ。

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