「伊東純也のようなスタンスを身に付けてほしい」ブレイクの兆しが窺える鹿島のアタッカーは「日の丸を背負って立てる潜在能力と野心を秘める」

2023年12月26日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

オフ・ザ・ボールの動きが向上

ブレイクの兆しが窺える松村。写真:サッカーダイジェスト

 2月23日に開幕を迎える2024年のJリーグ。果たして、この舞台で本格的にブレイクを果たす、もしくは主役級のインパクトを放ちそうなタレントは誰か。熟練記者の河治良幸氏が「注目銘柄7選」としてピックアップしてくれた。

 最後の7人目は、鹿島アントラーズの松村優太だ。河治氏の推薦理由は以下のとおりである。

「日の丸を背負って立てる潜在能力と野心を秘めていて、実際、プレーを見ても個で違いを作り出せます。それでいて、味方の動きに合わせられる柔軟性も備えているので、取り上げました」

 ただ、「ある程度ひとりでできてしまうところがむしろ懸念」と河治氏は言う。

「このままアウトサイドで縦に抜けてクロスというパターンを磨いていくのも良いですが、彼の伸びしろを考えたらその武器の使いどころをより考えた方がいいと思います。伊東純也選手も縦に速いイメージがあるものの、インラーラップしたりゴール前に入って行ったり、そういうプレーを示しつつ最大の武器である縦への突破をここぞという局面で使う。そういうスタンスを身に付けてほしいと鹿島の岩政監督も思っていたそうで、彼に熱心にそう言っていたようです」
 
 そんな松村は今季、オフ・ザ・ボールの動きが向上し、サイドを駆け上がる以外の選択肢を増やした。また、大岩剛監督率いるU-22日本代表でもかなり起用されるようになり、ブレイクの兆しが窺える。

「この流れは見ていて熱いものがあるし、課題に向き合う誠実さに打たれるものもあります」(河治氏)

 23年11月18日に行なわれたU-22アルゼンチン代表戦では、河治氏曰く「おいしいエリアに走り込んで決めたゴールが物語るとおり、そういう嗅覚も身に付けています」。

 小器用な選手ではなく、大きなスケールを持ったアタッカーに成長できるか。鹿島でさらなる飛躍を遂げ、A代表にも名を連ねてほしい。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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