【移籍専門記者】モラタはマドリーの「買い戻し」が有力。ただ、即座にリバプールへ転売も?

2016年03月07日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

クロップ監督はモラタを以前から気に入っている。

2014年のユーベ入団後に急成長を遂げ、A代表入りも果たしたモラタ。今夏の動向に注目が集まる。写真:Alberto LINGRIA

 レアル・マドリーは2014年夏にユベントスに売却したアルバロ・モラタについて、現在も買い戻しの権利を保持している。
 
 設定額は今年の夏なら3000万ユーロ(約42億円)、来年の夏なら3500万ユーロ(約49億円)。このオプションを行使するかどうかの決定権は100パーセント、マドリーにあり、彼らは買い戻しの意向をはっきり示している。それも今夏に、だ。
 
 戦力として計算できるだけでなく、すぐに転売して差益をもたらす可能性も含めて(むしろその実現性のほうが高い)、マドリーは買い戻す価値が十分あると考えている。現時点での市場価値を鑑みれば、4500~5000万ユーロ(約56~70億円)での売却が見込めるだろう。
 
 それだけの額を支払ってでも獲りたいと考えているのが、リバプールだ。ユルゲン・クロップ監督はドルトムント時代からモラタを高く評価しており、ユベントスが獲得した際も最後まで競合していた。
 
 ユーベとマドリーのいずれから買うかは事の展開次第だが、リバプールにとってモラタは、間違いなく今夏のメインターゲットだ。
 
 ちなみに、ユーベはモラタの後釜となるCFにエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)やカリム・ベンゼマ(R・マドリー)を狙っており、トップ下には昨夏も狙ったマリオ・ゲッツェ(バイエルン)の引き抜きを考えている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016.03.03号より加筆・修正。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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