「クボに0点」久保建英への“謂れのない批判”にソシエダ番記者が怒り。「タケのレベルや価値が疑われるのは信じられない」【現地発】

2023年12月16日 ミケル・レカルデ

長いシーズンには好不調がある

強豪インテルの脅威となった久保。(C)Getty Images

 インテル戦の50分だった。タケ・クボ(久保建英)は相手ゴールに向かって直線的にドリブルした後、パスの出しどころを見つけられずにいた。私の周りにいた記者の1人は、「今日はクボに0点をつけなければならない」とつぶやいた。

 彼は、「ノティシアス・デ・ギプスコア」で私が毎試合担当している選手採点について言及していた。ただどんなにひどいプレーをしても、0点という評価はありえない、タケはどんな試合でも、何らかのインパクトを残すからだ。

 案の定、結果的にダイブで倒されたフリをしたとしてイエローカードを取られたが、もう少しのところで決定的な仕事を完遂しかけた。試合後、その記者に話しかけようとすると、同僚にメッセージを送っていると言って相手にしてもらえなかった。言い訳を見つけることができなかったのだろう。

【動画】「シミュレーション取られたけど、上手すぎ」久保のキレキレ3人抜きドリブル→PK奪取→取り消しでイエロー
 イマノル・アルグアシル監督が構築したマシンについて様々な角度から論じられているが、タケのレベルや価値が疑われるのは信じられない。残念なことだが、才能は常に疑われるものだ。16歳でデビューしたカンテラ出身のアンデル・バレネチェアもそうだった。

 どんなチームにも火花を散らすことができるアタッカーが必要だ。オサスナにアブデのことを聞いてみるといい。昨シーズン、一部のファンの間でそのガンガン仕掛けるスタイルに対し、批判的な声が上がっていた。しかしその突貫ドリブラーが退団すると、オサスナはメリハリに欠けるチームに成り下がってしまった。

 タケは魔法を失ったと言われる。確かにレアル・マドリーのジュード・ベリンガムと並んでラ・リーガ最高の選手と評価されたシーズン序盤と比べれば、パフォーマンスは落ちている。

 とはいえ長いシーズンには好不調がある。つい最近までそうだったように、ゴールから遠ざかれば、批判は避けられない。しかしそんな中でも、タケは逃げも隠れもしなかった。チームメイトを、ファンを騙すことは絶対にしなかった。確かに前述のプレーのようにレフェリーを騙すことはあるが。
 

次ページタケを非難する連中は事実を見落としている

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事