「ドリブルは危険だが、クロスの精度が低い」やむなく途中出場の三笘薫、ブライトン番記者は“キレのなさ”を指摘。終盤のボレーは「決めて欲しい」【現地発】

2023年12月12日 リッチー・ミルズ

サポーターはフラストレーションを募らせた

バーンリー戦で後半頭から投入された三笘。(C)Getty Images

 ホームで行われた9日のプレミアリーグ第16節で、ブライトンは下位に低迷するバーンリーと1-1のドローに終わった。

 クラレッツ(バーンリーの愛称)は前半終了間際、ウィルソン・オルベールのゴールで先制する。するとアメックススタジアムに集まったホームサポーターは、一気に勢いを失った。

 だが後半になるとブライトンイレブンの動きが徐々に改善され、終盤にパスカル・グロスのクロスをサイモン・アディングラが頭で合わせて同点弾をゲットする。

 勝てばリーグ5位まで上昇するロベルト・デ・ゼルビ監督率いるチームは、その後も相手ゴールに迫ったものの、結果的にはそのままファイナルホイッスル。試合を支配しながらも勝利にたどりつけずに、勝点1しか得られなかった。
 
 長い故障者リストと過密日程に頭を悩めるブライトンなだけに、戦力は手薄ながらも、デ・ゼルビ監督はローテーションしないわけにはならないのが現状である。この試合も同様で、チームの中核を担う三笘薫がベンチからのスタートとなった。

 1点を追う展開でハーフタイムを迎え、指揮官は後半から三笘をピッチに送り込んだ。すると直後にいきなりチャンスを導き出す。左サイドでボールを受けた26歳は、対峙したディフェンダーを振り切って、ペナルティーエリア内にクロスを送る。しかし味方がおらず、決定機までは至らなかった。

 その後もバーンリーゴールに迫ったブライトンだったが、ゴールが遠く感じられた。三笘、そしてチームメイトたちも3日前のブレントフォード戦のようなキレのある動きが見られず、ホームサポーターはフラストレーションを募らせた。

 左サイドから攻め続けた三笘のクロスの精度は低く、ボックス内にボールを入れてもあっさりとバーンリー守備陣に処理された。一方で、ドリブルで敵の右サイドバックに仕掛け際には危険さが感じられた。

 だが問題は、対峙したヴィティーニョを抜き去ったとしても、バーンリーはダブルチームで三笘に対応していたことだった。加えてヴィティーニョもしつこいマークで粘りを見せ、日本代表が簡単に振り切る場面は多くは訪れなかった。
 
 それでも、後半左サイドバックに入ったグロスと三笘の息の合ったコンビネーションプレーから、敵のゴールに迫る。さらにジョアン・ペドロも加わって好機を演出したものの、人数をかけて守るバーンリーの堅守をなかなか崩せない。
 

次ページ決定力不足が響いているのは明らか

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