「実力かな」「最初からやるべき」終盤に決定機逸の三笘薫、試合後にこぼした本音。「プロで初めての壁か?」との問いには...【現地発】

2023年12月12日 松澤浩三

「なかなかうまくいかなかった」

終盤に決定機を外した三笘。(C)Getty Images

 プレミアリーグ第16節、ブライトンは下位に沈むバーンリーを相手に1対1の引き分けで、9月以来となる連勝とはならなかった。

 この試合で、シーガルズ(ブライトンの愛称)のボール支配率は72パーセント。放った総シュート数は29本(対するバーンリーは6本)だった。数字だけを見れば圧倒しているものの、勝てる雰囲気は感じられなかったというのが、90分間(+アディショナルタイム)を見た率直な感想である。

 前半は立ち上がりからブライトンイレブンの動きは鈍重で、バーンリーに押し込まれる場面が目立った。その後も一向にギアが上がることはなく、ハーフタイム直前にはウィルソン・オドベールに先制ゴールを許してしまう。
 
 この状況に業を煮やしたロベルト・デ・ゼルビ監督は、ハーフタイム間に動きを見せる。ベンチスタートだった三笘薫とビリー・ギルモアの両選手に急ピッチでウォームアップをするように指示して、両選手は後半頭からピッチに送り込まれた。

 後半は、開始直後からブライトンは左サイドの三笘にボールを集めた。そしてチームは、この日本代表ウインガーを中心にバーンリーゴールに襲い掛かった。46分には左サイドでボールを受けた三笘がゴールライン近くまで上がり、すかさず左足で中央へクロス。好ボールだったが、敵のゴールキーパー、ジェームズ・トラフォードが横っ飛びでキャッチする。

 その後も、主戦場とする左サイドハーフのポジションから再三ゴールを目指したが、試合後に本人が「自分たちの時間にしようってところと、相手を引き付けて前でなるべく高い位置でプレーしようと思ってましたけど、なかなかうまくいかなかった」と振り返ったとおり、決定的なチャンスが作れず。

 人数をかけて徹底的に引いて守るバーンリーの守備は堅く、その牙城を崩せないでいた。しかし77分にサイモン・アディングラが同点ゴールを決めると、そこから試合終了までは、ブライトンの選手たちは攻撃の仕方を急に思い出したかのように、幾度にもわたってクラレッツ(バーンリーの愛称)守備陣を攻め立てた。
 

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