「得点シーンだけではない」「攻撃を牽引」“復活弾”の久保建英をソシエダ番記者が絶賛! 試合後の振る舞いにも感嘆「常に周りに配慮した行動」【現地発】

2023年12月12日 ミケル・レカルデ

「タフさという点でもその存在は際立っている」

古巣のビジャレアルを相手に躍動した久保。(C)Getty Images

「彼は死んでいなかった。フィエスタに繰り出していた」

 ペレによる有名なスペインの歌は、タケ・クボ(久保建英)の復活を説明するのに役立つ。

 もっとも復活という表現はオーバーかもしれない。9月30日のアスレティック・ビルバオとのダービー戦以来、2カ月半近くにわたりゴールから遠ざかっていったのは事実だが、その間も彼はいつもそこにいたからだ。

 怪我で欠場することが少なく、出場が危ぶまれることもほとんどない。常にフィエスタへの準備に備え、努力を惜しまない。 怪我人が続出しているチームの中で、タフさという点でもその存在は際立っている。

 ビジャレアル戦でも、レアル・ソシエダはミケル・オジャルサバル、アンデル・バレネチェア、モハメド=アリ・ショという3人のアタッカーを欠いた。ビジャレアルは、開幕以来、低迷しているが、侮れないポテンシャルを持っている。
 
 おまけにマルセリーノ・ガルシア・トラルはソシエダにとって相性が良くない監督だ。決勝戦を制した2019-20シーズンのコパ・デル・レイを除き(ソシエダがアスレティックに1-0で勝利)、ラ・リーガでは彼の率いるチームに勝ったことがない。

 しかしソシエダは、今シーズンで最も重要な勝利のひとつを、文句なしの内容で飾った。とりわけ前半は、徐々に相手を追い込み、ラスト10分で立て続けに致命的な3ゴールを奪った。 

 勝敗を分けたのは組織力だ。ソシエダの窒息させるようなプレスに手を焼き、ビジャレアルはなかなか中盤を超えることができなかった。中でも特筆に値するのが、マルティン・スビメンディの働きだ。相手ゴールから離れたところでプレーするため、スポットライトを浴びる機会こそ少ないが、決して欠くことのできないチームの灯台だ。

 他にもミケル・メリーノが先制点を叩き込むとともに、3点目をアシスト。期待の新戦力のアルセン・ザハリャンも1アシストを記録した。

 その中で、MOMに選出されたのがタケだった。評価されたのは、3得点全てに絡んだからだろう。CKからピンポイントでメリーノの先制ゴールをお膳立て。スビメンディの2点目でもショートコーナーから起点となるパスを送り、そしてメリーノのファンタスティックなヒールパスを受け、右足でニアを冷静に抜いて3点目を決めた。
【動画】ニアサイドを射抜く!久保が古巣ビジャレアル戦で決めた右足弾!

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