【J1】川崎×湘南戦で気になった「残念な判定」。審判部は”誤審”がある事実を認め、説明の場を設けてもいいのでは?

2016年03月06日 江藤高志

GKチョン・ソンリョンは「あんなゴールは初めてです」と肩を落とした。

川崎対湘南は激しい競り合いが随所に見られる好ゲームだっただけに、20分の"あの判定"だけが残念だった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 川崎が湘南を迎えた第1ステージ・2節は、4−4と激しい点の取り合いとなった。
 
 立ち上がりから厳しいぶつかり合いが随所で見られたが、過剰に笛が吹かれることはなかった。1対1で激しいプレーが続いても試合が流れることで、サッカーの醍醐味が感じられる内容だった。そうした試合を演出した高山啓義主審の判定基準には、敬意を表したい。
 
 ただ、ひとつ残念な判定を指摘したい。川崎が1点をリードした後の20分のプレーだ。湘南の1点目となったこの場面の判定は、疑問符をつけざるを得ないものだった。
 
 高山薫のクロスをキャッチしようとしたGKチョン・ソンリョンに対し、キリノが勢いをつけて飛び込む。遠目から見てもGKに激しくぶつかっており、その反動でゴールが決まったように見えた。だから、ファウルがコールされると思ったのだが、高山主審はゴールを認定し、川崎の選手たちは、しばし抗議した。
 
 チョン・ソンリョンは「あんなゴールは初めてです」と肩を落とす。ただ、必要以上に高山主審を責めることはなかった。「本当に仕方がないですね。審判が見きれなかった面があるのかなと。悔しいですが、ああいう状況もあるので準備するしかないと思います」と気持ちを切り替えようとしていた。
 
 すでに下された判定は、後から選手が抗議したところで覆らない。だから、あえて"外野"の立場から言わせてもらうが、『あれがファールにならないなら、サッカーは違う競技になってしまう』。
 
 GKが落下点に入り、先にボールを掴んでいた。そこに勢いをつけて飛び込んできたキリノは、結局ボールに触っていないと判断され、公式記録はオウンゴールとされた。モノ言わぬ記録員の最大限の抗議にも思えた。

次ページ現状の秘密主義な雰囲気で、審判員は損をしている。

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