【なでしこ】キャプテン宮間を襲う重責と苦悩。彼女の“リュック”を一緒に背負える人間がいないと…

2016年03月05日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「結果が出ないと『自分たちが間違っているんじゃないか』と……」(宮間)

勝利が求められた中国戦は、想像を絶するプレッシャーがかかっていたのだろう。宮間のプレーには、普段の冴えがなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 正確無比なパスが武器であるはずが、クサビは次々とDFにひっかけられ、ダイレクトプレーもイメージがズレて決まらず、リズムに乗れない。中国戦の宮間あやに本来の輝きはなかった。

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 14分、川村優理のバックパスがコミュニケーションミスを呼んで失点。58分には強烈なミドルシュートをねじ込まれ、リードを2点に広げられてしまう。横山久美の一撃で一点を返したとはいえ、ボールをつなぎながらゴールを陥れる"なでしこらしい"サッカーが戻らなくては、勝機はなかった。宮間自身、攻撃には物足りなさを感じていたという。
 
「最初の失点が自分たちのミスからだったので、なんとか取り戻したかったですけど……。横山選手の得点もペナルティエリア内での相手のミスを得点につなげたもので、相手を崩しているシーンはほとんどありませんでした。自分としても物足りないと感じます」
 
 やっていること、やるべきことは変わらない。メンバーも大きく変わったわけではないのに、なぜ結果を出せないのか。中国戦にしても、「敵わない相手ではない」(宮間)のに勝てない。逆に、これまで敵わないと思う相手にも勝ってきたのに……。宮間は苦悩し、自問自答を続けた。しかし、「正直原因は分からない」と答を見出すことはできなかった。

次ページわずかな可能性を信じ、最後の瞬間まで戦い続けることを誓う。

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