【鹿島】覚醒の予感漂う”G大阪キラー”。鈴木優磨は、強いハートで「チームを勝たせる」

2016年03月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

印象的だったデビュー戦での言葉。「自分の初ゴールと勝点3を交換できるなら、初ゴールなんていらない」

前線の選手としては、恵まれた体格をしているとは言えない。それでも鈴木がゴールを決められるのは、抜群の嗅覚と「ハート」を備えているからだろう。写真:徳原隆元

 能力の高さはもちろん、まだ、その存在すら、それほど知られていないかもしれない。鹿島でプロ2年目を迎えた鈴木優磨。昨季の第2ステージのG大阪戦で初出場初ゴールと鮮烈なJ1デビューを飾り、今季開幕のG大阪戦でも決勝ゴールを挙げた。
 
 ここまで8試合・3得点。出場試合すべてが途中交代で、出場時間に計算すると2試合分にも満たない129分で、3度ネットを揺らしたことになる。19歳ながら、今や鹿島ではカイオと並んで、スーパーサブの地位を築きつつある。
 
 身長は180センチ。前線の選手としては、恵まれていると言えるほど、上背があるわけではない。スピード、ボールタッチについても、チーム内で上がいる。
 
 ただ、ピッチに立つと、ゴールネットを揺らす。ゴール前での迫力が、明らかに周囲とは違う。そして、前線でがむしゃらにボールを追いかける。鈴木が目標とする選手に、「岡崎慎司選手(レスター)」と口にするまでもなく、プレーを見たらすぐに、「似ている」と気づくことだろう。
 
 そんな鈴木の一番の武器は「心」。初ゴールを決めたG大阪戦後に発した言葉が印象的だ。
 
「自分が試合に出て負けてしまった。自分の初ゴールと勝点3を交換できるなら、初ゴールなんていらない。自分が試合に出て、チームが久しぶりに負けたことがすべて。勝たないと意味がない」
 

次ページリオ五輪は「申し訳ないけど、意識はしていない」。鈴木が見据えるのは「鹿島で三冠を獲る」ことだ。

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