ブラジルに勝利も試合内容が良かったとは…。何より心配なのは宮澤ひなたの怪我【なでしこジャパン】

2023年12月04日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

前半は組み立てもままならず

ブラジル戦で負傷交代した宮澤。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 12月3日(ブラジル、現地時間)になでしこジャパンが国際親善試合でブラジル女子代表と対戦。南と田中のゴールで2-0と勝利を収めたが、お世辞にも試合内容が良かったとは言えない。

 現地の気温は29℃と酷暑の影響も当然ながらあるものの、それにしてもなでしこジャパンは苦しんだ。4-3-3システムで臨んだ前半は長谷川不在のせいか組み立てすらままならず、長谷川を投入して3-4-2-1システムで戦った後半も宮澤の投入でリズムが出そうになると思いきやその宮澤が数分で負傷交代。ブラジルのハードかつアグレッシブなプレーによって、なでしこジャパンがミスを誘発されたシーンも多くあった。

 個人に目を移せば、ミドル弾が印象的な田中、さすがのテクニックを見せつけた長谷川、捌きのテクニックが光った長野、球際で強さを示した清水あたりが奮闘したが、チームとしてはスムーズな崩しが少なく、そこまで躍動感もなかった。
 
 ブラジルのアイデア不足に助けられた感もあり完封勝利を飾れたものの、攻守ともになでしこジャパンの粗さが目に付く試合だった。パリ五輪のアジア予選を突破できても本大会で厳しい戦いを強いられそうと、そんな印象を抱かせるゲームでもあった。

 とはいえ、テストマッチという側面を忘れてはいけない。例えば、17歳の古賀や18歳の谷川、GK田中らにブラジルの地で経験を積ませることができたのは非常に有意義で、ビルドアップのクオリティ不足、守備のハメどころの曖昧さという課題が出たのも悪くないだろう。

 何より心配なのは宮澤の怪我だ。マンチェスター・Uで移籍後初ゴールを奪って、さあこれからというタイミングで長期離脱となれば文字通り痛手である。試合直後時点で状態は不明だが、とにかく心配だ。  

 攻撃のキーマンとして不可欠だった宮澤が不在となれば、パリ五輪出場を目指すなでしこジャパンにとっても痛手だ。軽傷であってほしい。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集部)

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