不安定だったスタメン香川……逆転劇をベンチで見届ける羽目に――ドルトムント 3-1 ホッフェンハイム

2016年02月29日 遠藤孝輔

降格圏内(17位)の相手に苦しめられた2位のホームチーム。

退場:ルディ(58分) (C) SOCCER DIGEST

 2月28日(現地時間)のブンデスリーガ第23節、ドルトムントは本拠地でホッフェンハイムに3-1の逆転勝利。国内リーグ戦3連勝(公式戦6連勝)を飾り、前日に勝利を収めていた首位バイエルンとの勝点差(8)を"辛うじて"維持した。
 
 3日前のヨーロッパリーグ・ポルト戦でフル出場した香川は、ローテーションによるベンチスタートが予想されたなか、スタメンに名を連ねた。
 
 しかし、フリーで放ったクロスやDFライン裏へのパスは精度を欠き、高い位置でのボールロストを連発するなど、不安定なパフォーマンスに終始。ハーフタイムで交代を告げられた。
 
 香川だけの責任ではないものの、前半のドルトムントは拙攻を繰り返す。
 
 3-2-3-2システムとなるビルドアップ時に前線5人と後方5人の間隔が開きすぎてしまったうえ、守備時に5-3-2気味に構えるホッフェンハイムとのシステム的な噛み合わせの悪さも露呈した。
 
 得点源のオーバメヤンやロイスに良いかたちでボールが入らず、序盤からとにかく、シュートまで持ち込むのに苦労した。
 
 すると25分、ホッフェンハイムにリードを許す。シュートのこぼれ球をこの日が26歳の誕生日というルディに詰められたのだ。その3分後にはフォラントにゴールを脅かされたが、これはビュルキのセーブで事なきを得た。
 
 追いつきたいドルトムントは48分、ビッグチャンスを作り出す。後半から出場したギュンドアンが左足から放った渾身のシュートは、しかし惜しくもポストを叩いた。
 
 その10分後、勝負の行方を左右する出来事が起きる。後方からのスライディングタックルでカウンターの芽を潰したルディが一発退場となり、ドルトムントが数的優位のアドバンテージを得たのだ。
 
 ここから試合は、ハーフコートゲームの様相を呈す。
 
 5バック+4MFという、守備に重きを置いた布陣でリードを守り切ろうとするホッフェンハイムに対し、ドルトムントは中央突破とサイドアタックを織り交ぜながら、攻勢を強めていく。
 
 そして80分、ついに試合を振り出しに戻す。ショートコーナーの流れからムヒタリアンが同点弾を突き刺したのだ。
 
 勢いに乗るドルトムントは5分後、勝ち越しにも成功。ピシュチェクのクロスに途中出場のラモスが頭で合わせた。
 
 アディショナルタイムには玉砕覚悟で攻めてきたホッフェンハイムの裏をとり、エースのオーバメヤンがトドメの一発。苦しみながらも逆転まで持ち込んだチームの勝利に華を添えた。
 
 逆転劇をベンチで見届けることになった香川にとっては、不本意な一戦に終わったはずだ。ただ、第24節ダルムシュタットとのアウェーゲームは3日後(3月2日)に迫っている。気持ちを切り替えて、次のチャンスを活かせるか。

文:遠藤孝輔
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