7バックシステムでも撃沈したミャンマー。耐え凌ぐサッカーがどれほど過酷か、日本戦はそれを突きつけられる試合に

2023年11月17日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

メンバー表を見ると...

11分の失点でミャンマーはかなり苦しくなった。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 2023年11月16日に開催されたワールドカップ2次予選、試合前に送られてきたメンバー表を見てまず気になったのがミャンマーのスタメン。GK1名、DF4名、MF6名で、ポジション欄に「FW」の記載がなかったのである(サブメンバーには「FW」が3名いた)。

 大方の予想通り、ミャンマーは5-4-1のシステムでブロックを敷いて守ってきた。7バックシステムと言っても大袈裟ではない戦い方で、日本の攻撃を抑えにきた。カウンターを仕掛ける局面で可能性を感じさせたのは11番のマウン・マウン・ルインひとりで、当然ながら防戦一方の展開になった。

 はなから守る。これがサッカーにおいてどれだけ辛いことか。耐えて、耐えて、相手の焦りを誘うまで無失点に抑えるのは正直、至難の業。ひとつの綻びでブロックは簡単に崩れ、易々と失点してしまうケースは多いにあるわけで、難易度の高い戦い方なのだ。

 振り返れば、カタール・ワールドカップでドイツやスペインに勝利した時の日本はそれこそたいしたものである。あれだけ苦しい時間帯がありながらも相手の強みと弱みをしっかりと把握し、最後のところではやらせないという守備が特にスペイン戦でハマっていた。ドイツ戦でも1失点したものの、引いて守る日本は頑強という印象を十分に植え付けた。
 
 翻って、ミャンマーの守備は単純に人数をかけているだけの印象だった。ボールを奪っても苦し紛れのクリアが目立ち、それを拾われてまた攻め込まれる。そんな展開だったので、11分に先制された時点で勝機はほぼなくなった。

 その後、追いつきたくても攻め手がほぼないミャンマーは守備重視の戦いをしながらも失点を重ねる。両チームの力量差がもろに出た格好となった。

 格上相手に守り切ることがどれほど過酷か。ミャンマーは日本戦でそれを改めて突きつけられたと、そう言えるだろう。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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