G大阪に移籍したアデミウソンの穴を埋めるアタッカーの補充がなされていないまま、頼みの中村俊輔もインフルエンザを発症して欠場。昨季より戦力ダウンしているのは明らかだが、たとえこのふたつのエクスキューズがなかったとしても、果たして仙台に勝つことができていただろうか。
 
　そう思わせるほど、この日の横浜のパフォーマンスは低調極まりなかった。

【PHOTOギャラリー｜横浜０-１仙台】
 
　とりわけ、先制点を奪われた前半の出来は散々だった。仙台の果敢なハイプレスに手を焼き、パスがつながっても足もとばかりで、逆に相手に的を絞らせプレスの餌食となる始末。守ってはラインを低く設定して最終ラインの背後はケアできていた一方、目の前で自由にボールを持たれてはピンチを招き、ルーズボールの奪い合いでも反応が鈍く、ペースを握れなかった。
 
　後半は一転、ようやく尻に火がついたのか、攻撃の強度を上げて相手陣内でのプレー回数は格段に増えていった。前線に当てて２列目が絡むような連動した崩しもあり、惜しい場面は作れているにもかかわらず、フィニッシュワークの精度を欠いたまま最後までゴールをこじ開けられなかった。
 
　横浜はプレシーズンでのトレーニングマッチでは極度の得点力不足に陥っていた。その悪い流れを引きずったまま、昨季に続き、ホームでの開幕戦を落とす結果となった。
 
「チャンスっぽいのは作れていたけど、ラスト３分の１の精度がなかった。決定機をなかなか作れなかった」（中澤佑二）
 
　そう語る中澤自身、ロスタイムにはCKから際どいヘディングシュートを放ったが、そのことについて聞けば、即座に「入っていなかったら意味がない」とピシャリ。中村不在でキャプテンマークを巻き試合に臨んだ歴戦のDFは、ミックスゾーンでは最後まで険しい表情を崩さなかった。