負傷者続出のボランチ。ミャンマー戦は遠藤&田中のコンビか。鎌田の抜擢も一案、守田の起用には慎重になるべき

2023年11月15日 元川悦子

成長株の佐野を追加招集

攻撃の組み立てとパスセンスに優れる鎌田。手薄感が否めないボランチで起用するの面白い。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 11月16日の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の初戦・ミャンマー戦がいよいよ迫ってきた。

 13日から大阪市内で調整中の日本代表だが、14日の練習には町田浩樹(ユニオンSG)と追加招集の渡辺剛(ヘント)を除く23人が参加。しかしエースの1人である三笘薫(ブライトン)が疲労のためトレーニングを欠席し、守備の要・冨安健洋(アーセナル)も別メニュー調整となった。

 万が一、この2人が出られなければ、格下相手と言えども日本としては厳しくなる。森保一監督も選手のやりくりに頭を悩ませているはずだ。

 活動開始前に川辺駿(スタンダール)、伊藤敦樹(浦和)の2人が負傷離脱したボランチ陣もやや手薄感が拭えない。特に気がかりなのが、遠藤航(リバプール)と鉄板ボランチを形成している守田英正(スポルティング)。11月に入ってから所属先の公式戦3試合を欠場し、直近12日のベンフィカ戦は先発復帰したものの、85分に交代。

 本人は「内転筋とか股関節のあたりに痛みを感じた。ベンフィカとのダービーがあったので、それに向けて大事を取っていた。もう問題ありません」と強調したが、筋肉系の怪我は再発リスクはゼロではない。ここは慎重になるべきだ。
 
 万全なのが遠藤と田中碧の2人だけという状況では、長距離移動を伴う11月2連戦を乗り切れない。そこで、指揮官は13日に今季の成長株・佐野海舟(鹿島)の追加招集に踏み切った。

 が、いきなり公式戦で新顔の選手は使いにくい。やはり守田にできる限り、コンディションを整えてもらうしかない。サウジアラビアのジッダで開催される重要な21日の第2戦・シリア戦に集中してもらうのが賢明だろう。

 となれば、ミャンマー戦は遠藤と田中の先発が有力と言える。遠藤は10月のカナダ戦、チュニジア戦でも2戦連続先発しており、強靭なフィジカルとタフさは折り紙付きだ。先週は9日のヨーロッパリーグ・トゥールーズ戦と12日のプレミアリーグ・ブレントフォード戦に連続先発しており、これまでの日本代表ウイークより疲労はあるはずだが、ここ一番で頑張れるのがキャプテンの頼もしさ。今回は主導権を握る時間が長くなると目されるだけに、デュエルやボール奪取力以上に攻撃を組み立てる効果的な球出しに期待したい。

 田中も10月シリーズ以降、所属先で全試合に先発。10月21日のカイザースラウテルン戦で2得点、27日のブラウンシュヴァイク戦で1得点と立て続けにゴールを叩き出している。ミャンマーのような自陣に引いて人数をかけて守ってくる相手にはミドルシュートが有効な得点手段。それをモノにできる今の田中は非常に心強い。攻撃面で違いを作れる彼の存在価値は、2次予選でより大きくなりそうだ。

【PHOTO】ついに始まるW杯アジア2次予選、ミャンマー&シリア戦に挑む日本代表招集メンバーを一挙紹介!
 

次ページアジア予選特有の課題

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事