「悪い流れのまま行きたくない」三笘薫が日本代表の合流前に語った本音。6戦未勝利に「挙げればきりがないほど悔しい」【現地発】

2023年11月15日 松澤浩三

ブライトンサポーターは大いに沸いた

後半頭からピッチに立った三笘。(C)Getty Images

 6週間にわたってリーグ戦の勝ち星から見放されていたブライトンは、下位に低迷する昇格組のシェフィールド・ユナイテッド相手でも勝ちきれずに(1-1)、インターナショナルウィークを迎えることとなった。

 後半頭から途中出場した三笘薫はこの状況に、「もう、挙げればきりがないほど悔しいところはあります。チームの状況を表していると思います」と悔しさを露わにした。

 この試合では、プレミアリーグとヨーロッパリーグ(EL)を合わせて8戦連続先発フル出場してきた三笘はベンチスタート。慣れない連戦から疲弊しきって動きにキレがなくなっていただけに、賢明な措置だったと言える。
 
 そしてこの作戦が奏功する。三笘の定位置である左サイドハーフに入ったサイモン・アディングラが、序盤から溌溂としたプレーを披露。開始6分には、サイドからカットインして力強いドリブルからボックス内に侵入、最後はファクンド・ブオナノッテからのリターンパスを右足でゴールに沈めた。

 序盤に先制してそのまま勢いに乗るかと思われたが、その後ハーフタイムまでは、高いボール支配率を維持したものの追加点を取れず。ロベルト・デ・ゼルビ監督は後半開始からジョアン・ペドロと三笘を投入。是が非でも勝点3を取りにいく。

 この"仕掛け"は巧妙だった。攻めるのか守るのか、ポゼッションなのかカウンターなのかといったような、目的意識がまるで感じられないシェフィールド・Uを、シーガルズ(ブライトンの愛称)の攻撃陣が一方的に攻める展開となったからだ。

「勝って代表ウィークを迎えたい」。悪い流れを断ち切りたいブライトンイレブンの念頭には、この言葉があったはずだ。三笘も、45分間出場しなかっただけで身体が回復したわけではなかったとはいえ、ベンチから相手の貧相なパフォーマンスを見て、この試合では久々に積極的に振るまえた。

 昨シーズン途中にプレミアのファンを大きく驚かせた縦への推進力がこの日は久々に垣間見え、後半スタートから最初の7分間で、左サイドでボールを受けて敵DFにドリブルで仕掛けたのが3回。そのたびにスタジアムのブライトンサポーターは大いに沸いた。
【動画】三笘がシェフィールド・U戦で披露した3人包囲網突破のドリブル
 

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