【J1採点&寸評】広島×川崎|攻守一体の新スタイルを見せた川崎が王者・広島を撃破! 決勝点の小林が佐藤・大久保から主役の座を奪う

2016年02月27日 小田智史(サッカーダイジェスト)

王者らしからぬイージーミスを連発。“自滅”で黒星スタートに。

【警告】なし
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】チョン・ソンリョン(川崎)

【チーム採点・寸評】
広島 5.5
16日間で5連戦の3戦目という疲労以上に、あまりにイージーミスが多く、「自分たちらしくなかった」(佐藤)。チャンスの大半はサイドからのもので、今季トライしている中央からの崩しには課題が残る。
 
川崎 6.5
「攻撃の川崎」のイメージがあるなか、全員守備を徹底して王者に対抗。カウンターから首尾よく1点を奪った後、守り切る意思統一がしっかりなされていた意味でも収穫は大きい。

マッチレポート|広島 0-1 川崎

【PHOTOハイライト】広島×川崎
 
【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6
次々とペナルティエリアに侵入してくる川崎の波状攻撃にも冷静に対応。判断良く飛び出してピンチを未然に防いでいたが、失点のシーンは懸命のセーブも一歩及ばなかった。
 
DF
5 千葉和彦 5.5
大久保のマークを上手くストッパーに受け渡しながら、相手のクサビを粘り強く迎撃。ただ、失点シーンは後手に回り、マークマンに対して安易にスライディングに行ってしまった。
 
19 佐々木翔 6
小林のダイアゴナルな動きに振り切られることなくしっかりマーク。柏や柴﨑との連係プレーだけでなく、セットプレーの強さも示して、スタメン定着に向けて安定したパフォーマンスを見せた。
 
33 塩谷 司 5.5
最後の局面では身体を張って攻撃を撥ね返していたが、ロングフィードの精度が上がらず、攻撃面は不完全燃焼。川崎の守備をこじ開けるべく、もう少し前へ軸足を置いても良かったか。
 
MF
6 青山敏弘 5.5
常にDF2枚以上に囲まれながら、局面を打開する"らしい"パスを随所に供給。ただし、失点のシーンでは背後からボールを奪われてカウンターを許してしまった。
 
8 森﨑和幸 6
相手の勢いを止めるボール奪取や、停滞した局面にミドルで変化を加えようとする戦術眼はさすが。パフォーマンスは終始安定していた。
 
14 ミキッチ 6
縦への突破と、青山を使った崩しを上手くチョイス。対面の車屋を押し込んでチャンスメイクしていただけに、ゴールに結びつかなかったのは悔やまれる。
 
18 柏 好文 6
エウシーニョとの"18番対決"では、サイドを深くえぐってチャンスメイク。動きのキレ自体は悪くなかったものの、60分にピッチを後にした。
 
25 茶島雄介 5.5
3年目で自身初の開幕スタメン。上下動を繰り返してギャップに入り込み、切り替えを早めて攻撃のスピードアップを図ったが、こと"迫力"に関しては物足りなさが残った。
 
30 柴﨑晃誠 6
ボールを引き出してスペースを創出。股抜きパスやダイレクトプレーで、WBの攻撃参加やカウンターのスイッチを入れ、技術の高さを見せつけた。
 
FW
11 佐藤寿人 5.5
前半ロスタイムに隙を突くサインプレーから初シュートを放つもDFのブロックに遭い得点ならず。通算13点を稼ぐ相性の良い川崎からゴールを割れなかった。
 
交代出場
MF
16 清水航平 6
23日のACLでゴールを決めた勢いそのままに、柏に負けず劣らずの推進力を発揮。ゴール前に鋭いクロスを送り、攻撃の圧力を高めた。
 
FW
10 浅野拓磨 5.5
72分、清水のクロスに頭で合わせるも枠を捉えられず。スピードを活かしたカウンターを繰り出すだけのスペースはあったが、上手くゴール前まで攻め込めなかった。
 
FW
9 ピーター・ウタカ ―
1トップで出場。90+1分には豪快なミドル、90+3分にはCKからヘッドでゴールを脅かすも、ネットを揺らせず救世主になれなかった。
 
監督
森保 一 5.5
チームのベースや采配にブレはない一方で、全員で守る川崎のディフェンスをこじ開けられず。ACLとリーグ2節までの連戦をどう乗り切るか、手腕の見せどころだ。
 

次ページ新守護神を中心とした守備が機能。最後は小林が決勝弾を叩き込む。

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