「ミトマに頼ることしかできない」5戦未勝利のブライトン、“三笘依存”に番記者が懸念「一人で好機を作り出すのが難しいのは当然だ」【現地発】

2023年11月06日 リッチー・ミルズ

三笘はスペースを見つけ出すのに苦しんだ

オウンゴールを誘発し、雄叫びを上げる三笘。(C)Getty Images

 敵地グディソン・パークで開催されたエバートン戦でも、ブライトンのミニスランプは続いた。復調の兆しを見せる相手と1-1のドロー。試合全体を考えれば、このスコアは公平なものだと個人的には考えている。

 ロベルト・デ・ゼルビ監督率いるブライトンは9月24日のボーンマス戦以来となるリーグ戦での勝利を目ざしていた。しかしながら、前半の早い段階で敵DFのヴィタリ・ミコレンコに先制点を許してしまう。

 同14分にはパスカル・クロスのフリーキックからルイス・ダンクが鮮やかなボレーシュートを決めたと思われたが、VARによりオフサイドの判定が下り、同点ゴールはかき消された。

 シーガルズ(ブライトンの愛称)のボール支配率は80パーセント。しかしエバートンの堅い守りを前に決定的なチャンスは作れずにいた。試合終了が迫った84分に三笘薫のクロスがアシュリー・ヤングに当たって変化し、ゴールに吸い込まれるまでは。

 昨シーズンの5月にアメックススタジアムで両チームが対戦した際には、完璧なカウンター攻撃を見せたエバートンがブライトンを5-1と圧倒した。この試合でも前回同様に、トフィーズ(エバートンの愛称)を率いるショーン・ダイチ監督は、堅守から素早いトランジションを狙う堅守速攻の作戦で臨んだ。
 
 開始4分には、早速ピンチを招き、アブドゥライ・ドゥクレのシュートを、GKバルト・フェルブルッヘンがセーブ。直後の5分には、三笘が縦パスから抜け出してドリブル。相手センターバック、ジェームズ・ターコフスキをかわして左足で体勢を崩しながらマイナスのパスを中央に入れる。残念ながらボックス内に味方の姿はなく、好機は逸した。

 しかしその2分後のミコレンコのシュートはどうすることもできなかった。味方のセンターバック、ルイス・ダンクに当たって大きく変化したボールはトップコーナーに突き刺さったのである。

 前回対戦した際には、ネイサン・パターソンが三笘と対峙した。だが今回エバートンの右サイドバックに入ったのは38歳のベテラン、アシュリー・ヤングだった。ヤングとのデュエルであれば容易に勝てたのだが、右サイドハーフの入ったジャック・ハリソン、守備的MFのイドリサ・ゲイエ、さらにCBのジェームズ・ターコウスキもカバーに入るため、三笘はスペースを見つけ出すのに苦しんだ。

【動画】「ありえない」ブライトンの元エースも驚嘆!三笘がキレキレのフェイントから誘発したオウンゴール

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