【岩本輝雄】アビスパはなぜルヴァンで優勝できたのか? 2アシストの紺野と同じぐらい、貢献度が高かったのは...

2023年11月04日 岩本輝雄

井手口の存在感は抜群だった

アビスパをタイトルに導いた長谷部監督。子どもの頃から知っているから、僕も今回の優勝は嬉しいよ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 アビスパ、おめでとう!

 ルヴァンカップ決勝で、アビスパがレッズに2-1で勝ち切った。クラブ初のタイトル。新たな歴史が刻まれたね。

 決勝の舞台、国立も最高の雰囲気だった。レッズサポーターの凄さはいつものことだけど、それに負けないぐらい、アビスパサポーターもたくさん来ていたし、6万1683人は大会新記録。選手たちも、いつも以上に気持ちが入ってプレーできたと思うよ。

 アビスパでは、シャドーの紺野が輝いていたね。果敢に仕掛けて、チャンスメイク。開始5分の前の先制点は、右サイドを突破した紺野のアシストから。そして前半終了間際の追加点も紺野が演出。今度は左サイドからだ。鋭いクロスで宮のゴールをお膳立てした。

 決定的な仕事を果たした紺野は間違いなく、優勝の立役者だった。一方で、僕がずっと見ていたのが、井手口だ。得点には絡んでいないし、誤解を恐れずに言えば、そこまで目立ってはいなかったけど、貢献度は相当に高かったと思う。

 豊富な運動量は最後まで落ちなくて、右に左に、前に後ろに、ボールがあるところにはほとんど顔を出せば、次を予測した動きでピンチを未然に潰す。球際も強い。ピッチ中央で状況を見極めて、すぐさま効果的なアクションを繰り出す。

 コンディションも良さそうだし、本来の実力を取り戻しているんじゃないかな。抜群の存在感だったし、個人的にはこの試合のMVPに推したいね。かなり効いていたよ。
【動画】アビスパ初戴冠! カップアップの瞬間
 それにしても、長谷部監督は凄いよ。2020年の就任1年目にチームをJ1に昇格させて、課題だった残留も果たし、去年のルヴァンカップでは4強に進出。着実にアビスパを強くさせて、ついに初タイトルをもたらした。

 長谷部監督は僕の1つ年上だけど、地元が一緒で、子どもの頃からよく知っている。それだけに、今回の優勝は僕もやっぱり嬉しいよ。改めて、長谷部監督におめでとうと言いたい。

 個人的な思いをあと1つ言えば、僕もアビスパと同じく、ヨネックスさんにはお世話になっていて(笑)。そういう意味でも、アビスパの戴冠は嬉しかったな。

 タイトルという大きな成果を出したアビスパ。でも、これで終わりじゃない。また新たなスタートを切って、チャレンジし続ける。監督は、長谷部茂利だからね。まだまだ満足していないはず。さらなる躍進に期待したいね。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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