【J1】開幕直前チェック 広島編|オフの短さに不安は否めないがリーグ&ACLの二冠へ競争力アップは不可欠

2016年02月26日 寺田弘幸

強固なベースにより、新戦力の融合は順調に進行。

広島の2016年シーズン基本布陣。お馴染みの3-4-2-1の布陣は今季も不変。新加入選手も順調にフィットしているようだ。

【プレシーズンを通じての収穫と課題は】
 
 昨年末に天皇杯・準決勝まで勝ち残った広島は、今季の開幕が例年より1週早まったことに加え、開幕1週間前のゼロックス杯から16年シーズンがスタートしたため、昨季終了と今季開幕までのインターバルが2か月も設けられていなかった。そのため、とにかく今年のプレシーズンは短く、慌ただしかった。
 
 よって、大きな怪我人を出すことなく開幕を迎えられたのは大きな収穫だ。途中で練習を離脱する選手はいても、長期離脱となった選手はいない。ただ、気がかりなこともある。
 
 塩谷は自身のコンディションについて、「オフが短かったんでそんなにコンディションも落ちていなかった。いい感じで開幕を迎えられている」と話す。オフが短かったことが短い準備期間での調整を可能にしてくれたようだが、しっかりと心身をリフレッシュする時間はとれたのか。短いオフの反動がシーズン途中に出てこなければいいが、不安は否めない。
 
 また、新戦力の融合は順調に進んだと言っていい。森保体制5年目を迎えたチームには強固なベースが築かれており、新加入選手が入ってもブレることはない。ピーター・ウタカもチームの規律を理解しようと務めていた。
 
 そして、ドウグラスが移籍したことで再構築を迫られた前線は、昨年末のクラブ・ワールドカップでチャンスを掴んだ茶島が自信を持って好アピールし、P・ウタカも確かな能力を示している。連係が深まっていくまでの時間は必要だが、16年の攻撃陣も大きなポテンシャルを秘めている。

次ページ浅野に続く新星の台頭にも期待がかかる。

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